「新しい生活様式」には5Gを。音声にズレなく「テレワーク大喜利」も快適に

連載「#読む5G」(Shutterstock)


現在、コロナ禍により閉鎖されているものの、実際に5Gを使用した遠隔自動演奏については、東京スカイツリーに設けられたドコモ・ブースで体験できる。あまりに簡単に同時演奏を目の当たりにすることができるため「これのどこが新体感なのだろう」と不思議に思うほどだ。

新型コロナ禍により、テレビ各局ともに出演者を自宅にとどめたまま、ビデオ・ツールを使用し、番組製作に挑んでいる。しかし、自宅の通信環境となると、どうしても音声や映像にディレイが生じる。テレワークやテレカンに慣れ親しんだ方なら、よくよくご理解頂けると思うが、相手と同時に話し始めてしまい、「どうぞ、そちらから先に…」などとの譲り合いも珍しくない。これもディレイが混じるために生じる気まずさだ。

ディレイさえも笑いにするテレワーク大喜利


5月17日には、毎週日曜日に放送される人気長寿番組「笑点」もテレワークにより、ホストの春風亭昇太以外は、テレワークで出演する形式をとった。こちらでも通信のディレイにより、掛け合いにズレが生じ、ネットなどでも取りざたされた。もっとも「笑点」の出演者はさすがで、そんなディレイさえも笑いの種と変えてしまい、やはりプロの噺家はひと味違うと感心した。

24日の同番組のオンエアでは「テレワーク大喜利」に挑戦する。この原稿は残念ながら金曜日の入稿であるため、どのような顛末となったか目撃できず、ここに記すことができず、残念。

新型コロナウイルス禍において、ウイルスとの共存が取り沙汰され「新しい生活様式」も提示されている。つまり、こうしたテレワークによるテレビ番組や、ミュージシャンのライブ配信などは、今しばらく続くと予想される。そんな環境下、番組制作や配信が、どのように進歩していくのか、これはこれで興味深い。

昨年、東京都は元ヤフージャパン社長、現副知事の宮坂学さんの旗振りにより、東京の世界的5G都市化ねらう「東京データハイウェイ」構想を発表した。この構想通り5Gとその対応端末がすみやかに普及するようなら、新しい生活様式の中でも、高速通信が一般に意識されないうちに具現化され、番組やライブ配信がディレイによるストレスから解放された世の中がやってくる。テレワーク大喜利もストレスフリーにより楽しめるかもしれない。

今の若い世代が大人になった頃、「昔はテレワークでも、映像や音声が遅れて聞こえ、こんな笑い話があるんだよ」と懐かしむ未来があるかもしれない。

連載:5G×メディア×スポーツの未来
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文=松永裕司

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