REE社は自社のプラットフォームを採用したEV車両を、2021年に市場に送り込むことを目指している。その候補となる車種の1つが、日野自動車が昨年10月の東京モーターショーで展示したコンセプトカーだった。この車両はREE社のプラットフォームを基盤として設計され、上部のモジュールを組み替えることで、配送トラックから農業用の車両まで、様々なバリエーションに応用可能とされた。
「当社の次世代EVのコンセプトを実現する上で、KYBのテクノロジーは欠かせない役割を果たす。フラットでスケーラブルで、モジュール化に適したプラットフォームにより、モビリティの未来を切り開いていく」とバレルは話した。
REE社のプラットフォームは、車体の軽量化やコンパクト化を実現できる点もメリットだ。「テスラのモデル3と同等のボリュームを持つ車両との比較で、当社のプラットフォームは33%の軽量化を実現するだけでなく、設置面積を70%縮小できる」とバレルは述べた。
同社は今後、様々な自動車メーカーに同社のプラットフォームを納入していく計画だ。
累計100億円を調達
REE オートモーティブはこれまで累計約1億ドル(約108億円)の資金を、投資家や自動車関連のパートナー企業から調達済みであるとバレルは話した。クランチベースのデータによると、同社は2018年のシリーズC資金調達で4020万ドルを調達していたが、累計調達額はその2倍以上に膨らんだことになる。
同社はさらに年内に追加の資金調達を実施する計画という。
調査企業ガートナーの輸送テクノロジー担当アナリストのMike Ramseyは、REE社や競合らが実行可能なプラットフォームを送り出せば、需要は高まると述べた。「彼らのアプローチは、自動車メーカーに巨大なポテンシャルをもたらすことになる。しかし、実用化に向けては耐衝撃性能テストなどの試験を重ね、組み立てシステムを整備する必要がある」と彼は続けた。
REE社が掲げるコンセプトが果たして実現されるかどうかはまだ不確定だ。しかし、同社のアプローチが伝統的なガソリン車からEVへのシフトを加速させ、コストを引き下げ、EVの量産化を引き起こすことは期待できる。
「今から100年も前と同じやり方で自動車を作り続けることは、理にかなったこととは言い難い」とバレルは話した。