同社のプラットフォームはバッテリーや電動モーター、駆動系部品の全てを平坦なフロアにまとめ、自由度の高い設計を可能にする。これは非常に革新的なアプローチだが、スタートアップ企業であるREE社は、日本の伝統的自動車パーツメーカーとパートナーシップを締結した。
東京に本拠を置く世界有数の自動車向けショックアブソーバーメーカーの「KYB株式会社」は5月21日、テルアビブ本拠のREE オートモーティブとの提携をアナウンスした。2社は今後、次世代モジュラーEVプラットフォームの開発を共同で行っていく。
REE社は創業から2019年までステルスモードで事業を続けてきたが、トヨタグループのトラックメーカーの日野自動車や三菱自動車、フィアット・クライスラーにも技術提供を行っている。
KYBのエンジニアリング部門の桝本一憲本部長は声明で「REE社と提携し、革新的なEVのビジョンを共有できることにエキサイトしている。次世代モビリティを支える、サスペンションシステムを開発していきたい」と述べた。
自動車業界ではここ10年以上の間、標準化されたフラットな車台のメリットが注目され、セダンから配送トラックまで様々な車両に適用可能なプラットフォームが、製造コストを引き下げ、設計の自由度を高めると期待されてきた。
最近では電動トラックのスタートアップ企業Rivian、や自動車テクノロジー企業のCanoo、英国のEVスタートアップのArrivalなどが同種のプラットフォームを打ち出してきた。
しかし、REE社の共同創業者でCEOのダニエル・バレルは、同社のアプローチはさらに踏み込んだものだと説明する。
「この分野の競合のテクノロジーも優れてはいるが、完成度の点では当社が上回る。重要なのは、必要なパーツを限られた面積に格納しつつ、バッテリー搭載容量を増加させることだ。REE オートモーティブのプラットフォームは、設置面積あたり最大のバッテリー搭載数を実現した」とバレルは話した。