新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年初頭より、各国における国境の閉鎖や渡航制限、そして国内におけるロックダウン、移動規制などから、人々の往来を主とする「旅行」が一時的に停滞している。
今回発表した数百万の「ウィッシュリスト」データは、3月~4月の過去2カ月で世界中のユーザーが次の旅先のヒントとしてブッキング・ドットコムに掲載されている各宿泊施設ページをウィッシュリストとして登録・保存したもの。3月の初めから10万を超える様々な目的地がウィッシュリストに登録されてきた。
世界の51%が「国内旅行」へ
今まで同様、多くの国際的な観光地がリストに上がっている中で、世界中で登録されているすべての「ウィッシュリスト」の半数以上(51%)が国内旅行という結果になった。昨年の同時期のデータを見ると国内旅行の「ウィッシュリスト」登録はわずか33%であることから、しばらくは国内旅行へとシフトしていくことが分かる。
日本国内のデータを見ても、昨年は40%だった国内のお気に入り登録が71%まで上昇しており、グローバル平均よりもその意識の変化が色濃く伺える。
国内で非日常を体験
日本のブッキング・ドットコム利用者は世界中の国と地域の中でも、12番目に多く「ウィッシュリスト」機能を活用し、次なる旅行に向けて気分を高めていることが分かる。
特にウィッシュリストに登録されている国内の地域は、東京、京都、大阪、福岡が上位となっており、大規模な自粛要請があり今は閑散としている大都市への旅行希望者が多いことが分かった。
特に関西圏の京都・大阪では「買い物」や「食」などがインバウンド客にとって魅力的なのに対し、日本人はよりディープでその土地でしか体験することのできない「ローカルフード」や「ユニバーサルスタジオジャパン」を魅力的に感じており、国内でありながら非日常を感じることのできる土地が人気となっている。
さらに、20位以内には那覇市、恩納村、石垣島、宮古島、北谷と沖縄から5カ所がランクインしており、「水族館」や「島々」、「ダイビング」などのアクティビティを楽しめる国内リゾートを堪能したいという意識が高い結果となっている。
海外旅行トップ10の多くが東南アジア
一方で、海外旅行に目を向けている日本人の中で最も人気の地域は、ソウル(韓国)、次いでバンコク(タイ)、ホノルル(ハワイ)、台北(台湾)そしてパリ(フランス)だった。トップ10のうち7カ所は東南アジアで、比較的近距離の海外旅行を選択している人が多い結果となった。
1000以上の地域の中で、世界の人々からもっとも「ウィッシュリスト」を集めていたのは、ロンドン(イギリス)、次いでサンクトペテルブルク(ロシア)、パリ(フランス)だった。日本は18都市が選ばれており、東京都が6位、京都府が27位、大阪府が29位と30位以内に3都府がランクインしている。