3月末に突如として「ブルゾンちえみ」を卒業し、本名を明かし、イタリアへ語学留学を計画していることを発表した。驚きと共に、彼女を前向きに応援する声も多い。だが、これまでの名声やキャリアを一度捨てて、新しい道へ進むのは容易ではない。その決断の裏にはどんな思いがあったのだろうか──
前編・後編に分けて、藤原さんの生の言葉をお伝えしたい。
──4月1日から晴れてフリーになられましたが、外出自粛の期間中、どんな1日をお過ごしですか。
私はもともとブルゾンちえみとしての活動をやめてようと思っていましたが、世間的に外出しないようにするタイミングと、私がテレビに出ないようになるタイミングが重なりました。
本来であれば4月から学生ビザでイタリアに行っていて、働くつもりもありませんでした。ですが、いまこうして日本にいることで、読んでいなかった本を読んだり、インプットとアウトプットをする時間がすごく増えたので、ノートやコラムを書いたり、自分が好きかもと思える仕事に挑戦しています。
──ブルゾンちえみとして認知されていたのに、それを1回捨てる決断をするには悩みも大きかったのではと思います。やめようと吹っ切れた瞬間は覚えていますか。
ちょうど1年前、2019年3月末には考えていましたね。でも昨日今日で思ったというより、ブルゾンちえみとして活動を始めた2017年には、すでに「いつまでやるかな?」と考えながらやっていました。いまやっている形で一生はいないだろうな、というのはわかってました。
私にとってウィル・スミスが憧れの人なんですけど、将来会いたいという大きな夢があります。彼にいつか会って仕事をする、“Shake hands” すると考えた時に、「ジャパニーズコメディアン・ブルゾンちえみ」と自己紹介する自分が見えませんでした。そうじゃない、何か違う仕事をして会いたいなと思いました。
まだそれが何なんだろうとはわかっていないんですけど、ブルゾンちえみというお笑いのカテゴリーとして出たときから、形は変えるだろうなと思っていました。
──ブレイクする前からウィル・スミスに会うというスケールの大きな夢を描いていらっしゃったんですね。
ウィル・スミスに会うというゴール地点だけしっかり決まっていて、そこまでどう到達するかは考えてはいないんですけど。ブルゾンちえみとしては、ドラマ、映画、紅白出場など幅広く経験させてもらいました。