米イリノイ州議会、マスク着用に反発の共和党議員を追放

Photo by Scott Olson/Getty Images

イリノイ州議員のダレン・ベイリーは5月20日、州議会で実施された超党派の議員らの決議によって下院の臨時委員会から追放された。ベイリーは議会で定められたマスクの着用規定に反発していた。

共和党議員のベイリーは、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けてイリノイ州知事で民主党議員のジェイ・プリツカーが発令した自宅待機命令に、公然と反発していた。

州議会では臨時委員会に出席する議員らにマスクの着用を義務づける規定が20日に採択されたが、ベイリーはこれに応じなかった。その後、民主党議員のエマニュエル・ウェルチの主導により彼の除名を求める決議が行われ、賛成派が多数を占めた。

下院議長を務める共和党のJim Durkinは「議員やその家族、議会の職務に携わるスタッフの安全を脅かす行為は、決して容認できるものではない」と述べた。

プリツカー州知事は、ベイリーが命令に反発したことを厳しく非難した。「ベイリー議員は、我々が定めた人々の命や健康を守るための規定に反発した。州の公衆衛生の専門家もマスクの着用が、安全を維持するために欠かせないと述べている。ベイリー議員が、人々の安全に無関心であることは明確だ」

ベイリーは4月に州の自宅待機命令が無効であるとの訴えを起こし、裁判所は彼個人を命令の対象から除外していた。

イリノイ州の住民は、他者と十分な間隔がとれない公共の場所で、マスクか顔を覆う布を着用することを義務づけられている。プリツカー州知事は4月23日に、自宅待機命令を5月30日まで延長した。

ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、イリノイ州での新型コロナウイルスの感染確認者数は米国で3番目に多い10万418人となっている。

編集=上田裕資

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