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2020.05.22

航空、銀行株を売却、コロナ後を見据えたバフェットの投資戦略

Photo by Daniel Zuchnik/WireImage


バークシャー・ハサウェイはこの第1四半期に、500億ドル近くにのぼる巨額の損失を計上した。このコングロマリットは、4月の1カ月に65億ドル相当の株式を売却したが、同時期に購入した株式はわずか4億2600万ドルだった。

5月2日に開催されたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会の席上でバフェットは、「第1四半期はほとんど何の成果もあげられなかった」と認めた。2月末から3月の終わりにかけて起きた、パンデミックによる株式市場の急落により、同社の事業は大きな損失を被ったと、バフェットは説明した。バフェットが超特大クラスの買収に変わらぬ意欲を示すなか、バークシャーの手持ち現金は、1250億ドルから1373億ドルにまで膨らんだ。

バフェットはまた、株主総会で投資家たちに対し、バークシャーが保有していたすべての航空会社株を売却したと報告したうえで、自らの判断が「誤り」だったと認め、「航空会社に関しては世界が一変した」と述べた。

バークシャー・ハサウェイは、米国の航空会社上位4社(ユナイテッド、アメリカン、サウスウエスト、デルタ)の保有株式を売却した。総額は40億ドル相当を超える。

バフェットは2008年の世界金融危機の際に、市場を落ち着かせようという趣旨のもと、「米国株を買おう(Buy American)」と呼びかけていた。バフェットは今回も楽観的な見方を示し、米国の経済はやがて回復し、新型コロナウイルスに打ち勝つことができると述べた。

バフェットは年次株主総会で、バークシャーの株主たちに向けて、「私は今でも確信している……基本的に、米国の歩みを止められるものは存在しない」と語りかけた。「結局のところ鉄則は、『米国の歩みに逆らう投資は決してするな』ということだ」

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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