米国の雇用、減少分の42%が永久消失か

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「私たちは、かつてないほど先が見えない状態にある。市場は健全に機能しているように見えるが、それはなぜなのか。今回の状況から利益を得ている業界だけが評価されている。3年から5年先を見通して割安な株を選ぼうとすれば、それでいいのかもしれない。その反面、現在の額を理由にして何らかの株を買ったとしても、その企業が今回の危機を乗り越えられない可能性もある」とトーマスは話す。

パンデミックによって膨大な失業者が生まれたことで、人々はこの先、万が一の備えとして貯蓄を増やし、支出を減らそうと考えるに違いないと、投資家たちは確信している。企業は、「流動性バッファー」を確保しようとするだろう。

ロシアの投資銀行VTBキャピタル(VTB Capital)の英国支社に属するエコノミスト、ニール・マッキノン(Neil MacKinnon)は、「銀行はすでに貸倒引当金を積み増ししている。先行きの不透明さが低投資を指し示している」と述べた。

世界的なサプライチェーンを再配置して立て直せる可能性はあるが、時間が必要だ。新型コロナウイルスパンデミック後の環境に対応できるのは2021年以降だろう。

連邦準備制度理事会がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を約束するといった政府の介入が増えたり、オンライン経済が進展したりすることになりそうだ。投資家たちは、これら2つの確実な要素から、自分にとって利益になりそうなものを選ぶことができる。

著名投資家で富豪のジョージ・ソロス(George Soros)は5月中旬、「パンデミック終息後に、グローバル化された経済に戻ることはありえない」と述べた。同氏はさらに、ユーロ圏の生き残りと、米中関係の緊張悪化を懸念していると付け加えた。

[訂正]タイトルについて、当初、米国の雇用の「42%」としておりました。お詫びして訂正いたします。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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