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Photo by Andrew Chin / Getty Images

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて小売業が苦戦する中で、米アパレル大手エルブランズは5月20日、米国とカナダで展開中の「ヴィクトリアズ・シークレット」及び「ピンク」の約250店舗を恒久的に閉鎖すると発表した。

ヴィクトリアズ・シークレットは米国とカナダで1091店舗を運営しているが、米国の253店舗とピンクの3店舗を閉鎖する。さらにカナダでも複数の店舗を閉鎖する。

エルブランズの今年第1四半期の売上は前年同期比37%マイナスの16億5000万ドル(約1780億円)だった。パンデミックの発生を受け、同社のほぼ全ての店舗が今期の終盤に休業に追い込まれた。

エルブランズはさらに、バス・ボディ関連商材「Bath & Body Works」の50店舗も閉鎖する。ヴィクトリアズ・シークレット単体の今期の売上は前年同期比46%減の8億2150万ドルだった。一方、Bath & Body Worksのダメージは比較的少なく、18%のマイナスにとどまった。

決算発表の場でエルブランズは経営の立て直しを進め、Bath & Body Worksをスタンドアローンな部門として維持すると宣言した。エルブランズの株価は店舗の閉鎖のニュースを受け、2%下落した。

パンデミックの発生以前から、ヴィクトリアズ・シークレットは苦境に陥っていた。同社の元CEOでビリオネアのレスリー・ウェクスナーは昨年、少女買春疑惑で告発された後に獄中死した富豪のジェフリー・エプスタインとの親密な関係で強い批判を浴びた。エプスタインは少女売春に絡む人身売買容疑で逮捕された後、昨年8月に刑務所内で自殺していた。

ファッション業界ではプラスサイズがトレンドとなり、多様性が重視されるようになった中で、伝統的でステレオタイプな価値観を押し出すヴィクトリアズ・シークレットのブランド力は失墜した。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は今年2月、エルブランズ社内の女性蔑視やいじめ、ハラスメントの文化について詳細に報道した。

エルブランズの株価は2015年のピーク時から75%以上も下落している。

今年2月にエルブランズは、ヴィクトリアズ・シークレットの過半数株式を投資会社シカモアパートナーズに売却するとアナウンスした。しかし、商談の途中でシカモア側が取り引きから撤退し、この話は破談となった。

パンデミックを受けて世界の都市で店舗の閉鎖が続く中、その他の小売大手も危機に瀕している。米百貨店大手JCペニーは5月15日に破産宣告を行い、家具チェーン大手のPier 1 Imports(ピアワン・インポーツ)も18日に全店舗の閉鎖を発表した。

サンフランシスコ本拠のアパレル企業「GAP」も先日、資金枯渇に直面し、店舗の家賃支払いを停止したと報じられた。H&Mやノードストローム、Foot Lockerらも4月の家賃を支払っていないと伝えられている。

米国のGDPの70%は個人消費によるものだが、商務省が4月30日に発表した3月の個人消費支出は前月比7.5%減と、1959年に統計をとり始めて以降で最大の落ち込みとなった。

編集=上田裕資

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