外国人が選ぶ2010年代傑作日本アニメ10選 『暗殺教室』も

外国人が選ぶ2010年代傑作日本アニメ10選(2014・15年)


2015


『暗殺教室』(Lerche)


中学生のはみ出し者グループが、思いもよらない学級活動を割り当てられる。「殺せんせー(コロセンセイ)」と呼ばれる、とてつもなく強いタコのような異生物の担任教師を殺せというのだ。この陽気な作品にはたびたび暴力場面が出てくるが、明らかに誰も真の危険にはさらされておらず、観ている者は、間違って暗殺者見習いにさせられた生徒たちの感情の起伏に思わず共感してしまう。


謎めいた「殺センセー」は殺し屋志願者たちの学級担任だ

『デス・パレード』(マッドハウス)


たいていの人間は死後に天国か地獄に行くのだが、選ばれた少数の人間は知らぬ間に〈クイーンデキム〉なるバーで自分の命を賭けてゲームをしていることに気づく。作品の背景が巧みに構築されているので、見始めるとたちまち豪華で危険な世界に引き込まれてしまい、情報の少ない謎めいた住民のことを知りたいと願うようになる。テーマソングの『Flyers』は、この10年で最もすばらしいオープニングテーマ曲のひとつと言える。


『デス・パレード』の舞台は死後の世界にあるバー

『俺物語!!』(マッドハウス)


筋骨たくましい巨漢の猛男は救いようのないほどのロマンチストだが、その外見のせいで女の子を怖がらせ、遠ざけてしまうことが多い。ところが電車の中でひとりの少女を痴漢から救ったことで、思いがけずずっと夢見てきたラブストーリーの主人公になる。猛男の物語は、外見で中身を判断してはいけないことを、観る者にユーモアと愛情を交えて思い出させてくれる。


理想の少女に好きになってもらうには、自分は武骨すぎると猛男は考えている

『ワンパンマン』(マッドハウス)


世界一強い男でいることは、実はとても退屈なのだ。サイタマはどんな悪漢もパンチ1発で倒すことができるが、ささやかなものでいいから、心を揺さぶることを死ぬまでに一度経験したいと思っている。この美しい動きのアクションアニメは、サイタマの屈託と乾いたユーモアを巧みに組み合わせることで、異彩を放つヒーロー物語になった。原作はコミック投稿サイトに掲載された漫画で、ハリウッドのしゃれたスーパーヒーローものとはまったく異質のものだ。


サイタマ、『ワンパンマン』のやる気のない主人公

『ワカコ酒』(Office DCI)


この好感度の高い短編アニメは、ひとりでいることの喜びを教えてくれる。仕事で疲れた日のワカコの唯一の楽しみは、帰りに初めて入る居酒屋で肴をつまみ、ひとり酒をすることだ。彼女の料理の味わい方は、観る人の料理に対する視野を広げてくれるかもしれない。


食べ物と酒に対するワカコの情熱が伝わってくる

(今回は選ばれなかったが、2015年ではこの作品にも注目だ。『干物妹!うまるちゃん』(動画工房)、『ユリ熊嵐』(SILVER LINK.)、『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』(サンライズ))

翻訳・編集=中田しおみ、S.K.Y.パブリッシング

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