気づいたら起業家になっていた
UpKeepが処理した修理オーダーの件数は累計で1000万件を突破し、昨年の売上成長率は206%を記録したという。同社の従業員は100人を超えており、2000社以上の顧客を抱えている。UpKeepのアプリは、ユニリーバやシーメンス、マリオットやマクドナルドでも採用されている。
チャンによると、施設の管理業務は人目につかないため、見落とされがちなエリアだという。「世間の人々の大半は、修理や清掃を行う人の業務をあまり理解していない。しかし、メンテナンス業務は国を問わず、世界のあらゆる分野に存在するものだ」
ロサンゼルスでUpKeepを創業したチャンは、2017年にYコンビネータのプログラムに参加し、300万ドルのシード資金を獲得した後、2018年のシリーズAで1000万ドルを調達した。
今回調達した3600万ドルを合わせると、UpKeepの累計調達額は5000万ドル近くに達している。しかし、大学で化学エンジニアリングを学んだ彼は元々、起業家を目指していた訳ではないと話した。
「エンジニアリングの世界を志したのは、モノづくりや手作業が好きだからだった。しかし、実際にエンジニアとして働き始めると、この業界は変化が遅く、自分が思うようなスピードでモノづくりが出来ないことに気づいた。だったら、テクノロジーの力で自分が思うような環境を実現してやろうと思ったんだ」とチャンは語った。