コロナ流行による先行き不安 心を強く保つには

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新型コロナウイルスによる不安が広がり、先行きが不透明な今、多くの人が今後について考え、途方に暮れている。世界がわずか数週間で変容してしまったのに、何ごともなかったかのように振る舞いながら集中力を保ち、日常生活を送ることは難しい。コロナ危機のただ中にいる私たちは、いったいどうすればよいのだろうか?

まずは、自分でコントロールできるものとできないものを受け入れる必要がある。先が読めない中、自分ができることは何だろう? 世界がどんどん制御不能になっていくように感じる中でも、心を強く保つ方法を以下に紹介する。

・科学を信頼する


ベストセラー作家で研究者のブレネー・ブラウンは、最近立ち上げたポッドキャスト番組『Unlocking Us』の初回エピソードで、自分が初めてのことに対してどうアプローチしているか、そしてコロナ危機を乗り切るためにそれをどう適用しているかを解説。現状をしっかり確かめることが重要だとし、新型ウイルス流行をめぐる混乱や偽情報、真っ赤なうそが飛び交う中で、科学者の言うことに耳を傾けるように勧めている。

「集団として最も恐ろしい瞬間の一つは、私たちが弱くなっている時だ。そんな時はリーダーや専門家を自称する人々が現れ、まことしやかな話を私たちに吹き込んで瞬く間に信頼を得る」

「“今後必ずこうなる”とか、“この状況はこの時に完全に収束する”、“感染するのはこういう人だ”、“これは大したことではない”といった風に、科学や事実に基づかない話をする人がいたら、その真偽を確かめる必要がある」

・不安定さを受け入れる


ハーバード大学医学大学院精神医学部の准教授で、不安症センターの創設者で所長を務めるデービッド・ロスマリン博士はニューヨーク・タイムズ紙に対し、歴史的に見れば、(近年は混乱した状況があるものの)私たちは安全な時代を生きており、今起きている情勢不安は私たちが慣れていない形で大きな不安をあおっている。絶え間ない戦争・紛争の不安を生き抜いてきた前世代と比べ、私たちは大きな安心感を持っているため、不安定さを受け入れ、状況を自分の思い通りにすることを断念できるようになる必要があると、ロスマリン博士は指摘している。

大きな問題については、権限のある国や地方自治体が進める取り組みを信頼するべきだ。博士はこれを、公共交通機関や旅客機に対する信頼に例えている。私たちは運転手やパイロットを疑うことなく乗り物を利用しており、今の状況もそれに当てはめて考えるべきだ。
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編集=遠藤宗生

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