この映画は6月12日から劇場公開される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で劇場公開が見送りになり、配給元のソニーはアップルに配信権を約7000万ドル(約75億円)で売却した模様だ。この映画の製作費は約5000万ドルとされており、ソニーは十分な対価を得たと推測されている。
アップルはストリーミング配信においてビッグネームの起用に注力しており、トム・ハンクスが主演の第2次世界対戦を舞台とした映画は、アップルのブランドにふさわしい作品と言えそうだ。トム・ハンクスは「Greyhound」の主演を務めただけでなく、脚本も手がけている。
この映画以外にも劇場公開が延期になった結果、ストリーミングで先行上映されるタイトルはいくつもあり、パラマウントの「The Lovebirds」(当初は4月公開予定)も間もなくネットフリックスで公開される。
さらに、ユニバーサルの「トロールズ ミュージック★パワー」や「The King of Staten Island」「The High Note」などの作品も劇場公開が断念された結果、各社のプラットフォームでオンデマンド配信がスタートしている。
ブルームバーグによると、アップルはトム・ハンクスの「Greyhound」以外にも、Apple TV+向けのタイトルの獲得に向けて複数のハリウッドのスタジオと交渉を進めているという。ストリーミング分野ではネットフリックスやHulu、Disney+、アマゾンらが人気タイトルの獲得に向けてしのぎを削っているが、パンデミックによる混乱が各社のコンテンツ戦略にどのような影響を及ぼすかも興味深い。