達人のシメは「あさり汁」。タウリンで打倒二日酔いも

撮影・田内しょうこ

「巣ごもり」から多少は解放されても、いわゆる「新しい日常」には、Zoom飲みが定着するのではないだろうか。終電の心配もないので盛り上がってつい──。ということも多いかもしれない。

自身も酒を愛する料理研究家の田内しょうこ氏は「今日は飲むぞ、という日はいっそ、飲み始める前に、翌朝の『二日酔い朝食』の準備を」と薦める。

忙しい人のためのレシピ本の著者として知られ、2児の母でもある田内氏(夫は摩訶不思議な「曼陀羅アート」で国内外から注目される画家、田内万里夫)による連続寄稿、その2回目をお届けする。


飲みすぎそうな日に準備しておきたいスープと締めの一品、第二弾はかつおだしを使った2品をご紹介します。

昔は飲んだ後の締めには、当たり前のようにラーメン! 深夜に食べるこってりと塩味もきいたラーメンが本当に美味しく、ラーメンを美味しく食べるために飲んでいるのかというくらい、締めのラーメンが楽しみなものでした。帰りにラーメン屋に寄ったり、コンビニで辛くて濃い味のカップ麺を買って帰ったり。ところが40代になり、だんだん50代の方が近くなってくると、悲しいかな、ラーメンのスープを脂っこく感じる日が増えてきました。あるいは美味しくラーメンを食べた翌日にもたれたり、顔がむくんだりして後悔することも……。20代の頃には、飲んだあとにうどんを選ぶ上司を見て理解に苦しんだものでしたが、近頃はかつおだしの優しさがしみじみと染み入るようになってきました。

「それ、わかる!」と思ってしまった方には、今回の2品は絶対におすすめ。スープは、飲んだあとの夜に食べても罪悪感は少なめですし、野菜とかつおのだしでお酒で疲れた胃腸もすっきり。アルコールでいっぱいのお腹を少し休めてくれます。あさりのエキスは二日酔い感を解消してくれるので、あさりうどんはたくさん飲んだ翌朝や昼ごはんに。食欲のない日にもうどんならするすると喉を通ります。

白菜とベーコンの和風スープ(2人分)


飲みすぎたときはもちろん、長いリモートワーク生活での運動不足や、ついつい家で食べすぎて……というときのデトックススープとしてもおすすめです。シーズン的に白菜が品薄になってきていますので、春キャベツやレタスで代用してもおいしく作れます。

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白菜 1/4玉

ベーコン 3枚

かつおだし 600ml

しょうゆ 大さじ1

塩、こしょう 適量

万能ねぎ 適量


1 白菜は3cm長さに切る。ベーコンは細切りにする。

2 鍋にかつおだしを温め、1を入れて白菜が柔らかくなるまで煮る。しょうゆで味をととのえる。万能ねぎの小口切りを散らす。

※甘めが好きな方は、ほんの少しみりんを入れても美味しい。


かつおだしは、だしパックや顆粒だしなど使い慣れたものでOKですが、時間があるときにはぜひ昆布とかつおぶしで。おうちごはんの味がぐっとグレードアップします。「毎日、家のごはんで飽きてしまう」という方は、新しいレシピを探すよりも、まずはきちんとだしをとることをお試しください。同じレシピで作っても、仕上がりの味がびっくりするほど変わります。とっただしはお茶ポットなどに入れて冷蔵庫に入れれば3日間保存可能。みそ汁や煮物、卵とじに、とちょっとした料理が間違いなく美味しく作れます。

【あさりうどん】(1人分)


あさりは、アルコール代謝によいタウリンを豊富に含むことから二日酔いにはぜひ摂りたい食材。そのほか亜鉛、鉄、カルシウムなどのミネラル分、ビタミンB12、などの成分もしっかりとれるのも嬉しい。栄養が染み出した汁までとれるのが理想的なので、みそ汁やスープなど汁ごととれる料理にするのがおすすめです。
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文・構成=田内しょうこ

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