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元榮太一郎の「激動するこれからの時代で輝くためには」

RUNSTUDIO/Getty Images

昨年12月に、東証マザーズに上場を果たした「スペースマーケット」。空きスペースを1時間単位で貸し出す革新的なビジネスモデルで2014年に起業し、わずか5年で上場を実現した。

そんなスペースマーケット代表の重松大輔さんとの対談も最終回を迎えた。今回は、経営における課題や、未来の起業家に向けてのメッセージをお届けする。


重松大輔(以下、重松):元榮さんは、弁護士や起業家としてだけでなく、最近は政治の分野でも精力的に活動していらっしゃいますね。起業家への政策的な支援は、具体的にどんな形で進んでいるのでしょうか?

元榮太一郎(以下、元榮):2023年までに、ユニコーン企業、つまり時価総額10億ドル以上の未上場企業等を国内に20社つくることを目標に支援しています。また、僕は「ドラゴン企業」と呼んでいるのですが、上場したベンチャー企業が時価総額10億ドル以上の企業へと成長するための支援も、強化していこうと進めているところです。

日本はマザーズという、世界でもっとも上場しやすい市場を持っています。まずそこで内部管理体制などを整えて上場することで、信用力や採用力が高まります。

重松:格段に上がりますよね。

元榮:上場した企業がさらに成長するという、一連の流れのなかで僕が感じているのは、「ストックオプション制度の不備」なんです。

有償ストックオプションを付与するときに、費用計上しないといけなくなってしまった(2018年1月公表:企業会計基準委員会実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」)。

そのため、利益規模が小さい企業がストックオプションを発行して費用計上したいと思っても、それをやると利益が下押しされてしまうから、なかなか付与できないのが問題です。

幸い、弁護士ドットコムは費用計上しなければならない時期より前に発行できたので間に合ったのですが、ストックオプション制度の再構築が必要だと思っています。

重松:それは大きいですね。ストックオプションは長期的な企業価値向上につながるので、そこを支援していただけるとありがたいですね。

元榮:あとは社外取締役です。彼らの経営経験に基づいた助言は本当に有効で、フルコミットは難しいけれども、知見を借りたいという場面がある。しかし、社外取締役は、東証の規則やコーポレートガバナンスコード上、「兼任をなるべくしないように」と読めるようになっているんです。

重松:そうなんです、その部分で私も実際に困っていて。

元榮:絶対に知見をもたらしてくれるとわかっているのに、規則では「なるべく合理的な数に留めること」「社外取締役を専任する場合は、それを受ける人は、あまり兼務していないことが望ましい」というような書き方がされている。これはおかしいのではないかと思って、僕も国会の法務委員会で会社法の改正のときに指摘し、改正を要望しています。

これをちゃんとやっていかないと、もったいないんですよ。いまや、イーロン・マスクだってテスラ社のCEOをやりながらスペースX社も手掛け、ジャック・ドーシーは上場企業であるツイッターのCEOと上場企業のスクエアのCEOを兼務しています。時代に合わせていかないと。

重松:さすが「パラレルキャリア」を体現されている元榮さんですね。豊富な経営経験のある社外取締役からのアドバイスは、経営者にとって本当にありがたい。ほとんどの起業家は、はじめて創業し、経営する人です。わからないことだらけなんですよ。

わからないことは教えを請わないといけないし、教わらずに独断で走ってしまって誰も止められないとなったら目も当てられません。社外取締役がストッパーの役割になることも大切だと思うので、うまく支援してもらいたいですね。

文=元榮太一郎

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