外出時の手袋着用は感染予防に役立たない? 注意すべき理由

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手袋を使うなら、適切な使い方を学ぶ必要がある。ばかげたことを言っているように聞こえるかもしれない。だが、着けていれば安全という単純な話ではない。何かを触った手袋で顔を触ることは厳禁だが、それを守るだけでも大変なことだ。

何時間も同じ手袋を着けたまま、空港でトロリーやエスカレーターの手すり、エレベーターのボタンに触り、自分の顔に触り、さらにそのままサンドイッチを食べたりすれば、それは“微生物学的見地”から言えば悪夢だ。

手袋をした手で持った携帯電話を、数時間後に素手で触ったらどうなるだろう?手袋に付着していたあらゆるものを、自分の手に付けてしまったことになる。一見無害な行動が、自分自身を新型コロナウイルス感染という大きなリスクにさらしてしまうことになる。

使い慣れていない大抵の人たちは、手袋をしているだけで安心して、自分の顔も他の人(自分の子供)の顔も、携帯電話も食べ物も、何でも触ってしまうだろう。手を洗う回数も、減るかもしれない。

さらに、手袋を外して手を洗い、着用していた手袋をもう一度着けるのも簡単ではない。内側に汗がついているかもしれないし、裏返しになっているかもしれない。おそらく外側も付着していたものをまき散らし、自分に付着させてしまうだろう。

手袋はマスクと同じように、適切に使用し、着脱することによってのみ機能するものだ。空港で手袋を配布することは結果として、かなりまずい考えだったということになるかもしれない。

編集=木内涼子

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