サイト内でこれまでは「イベント」「新商品」などのワードが人気だったが、この4月においては、マスクの販売情報など「新型コロナウイルス」や「テレワーク」関連のワードや「オンライン」「おうち時間」のワードが注目された。
さらに昨今の傾向として、キーワードだけでなく、「コンテンツとしての強さ」も求められるようになっているという。実際のところ、8000字に迫る長文のリリースや、詳細なストーリーをプレスリリースとして配信する企業も出てきた。マーケティングやHRなどの観点から、自社ホームページや「note」などのサービスを使って、自らストーリーテリングを行う企業も続々と生まれた。
「新たなスタイルを提案していこう」ストーリー続々
そこで新サービス「PR TIMES STORY」が生まれた。これまでプレスリリースのあり方やその流通に変革を起こしてきたが、今回の新サービスはその内容や文体的アプローチを変革するものといえる。そういえば、プレスリリースが一人語りであってはいけないというルールはないのだ。
「PR TIMES STORY」サービス動画より
当初、このサービスの開始は4月下旬を予定していたというが、新型コロナウイルスの影響で多くの企業が苦境にあるなかで新たな発信習慣の提案は難しいと判断し、延期を決断したという。事態が長期化する中ではあるが、「この環境の中で、オンラインでいかに伝えるかを考え、私たちから新たなスタイルを提案していこう」と今回の発表を決断したとしている。
早速、横浜F・マリノスによる、選手発のオンライン配信イベント開催の裏側や、ロッテによる「パイの実」の歴史、サッポロホールディングスによる、開発者自らが語る新商品発売に至る物語など、さまざまな企業のストーリーが配信されている。
情報やファクトでメディアを通じて存在感を発揮する時代から、企業と消費者が直接繋がる共感の時代へ。ウィズコロナ、ポストコロナ時代の新たな企業コミュニケーションのひとつのスタンダードとなるか──。