ストックホルムに住んで見つけた「自分の家が大好きになる方法」

こだわりのソファ


愛着を増す為には自分でやることが大切


私は今の自分の家が大好きだ。単に持家だからというわけではなく、これまで数々のメンテナンスを自分の手でこなしてきたからだ。キッチン、ダイニング、子供部屋は自分で好みの床に貼り替えた。

スウェーデンに来てから自分でも驚くほどDIYにハマり、今まで数々の改良を重ねてきたが、これまで一度もプロにお願いをしたことがない。



入居当初の床はこんな雰囲気で、真っ先に床の貼替を行った。



こちらが現在の姿。だいぶモダンな印象になり、私としては大満足だ。

子供部屋の壁も塗ってみることにした。やり方は全く分からなかったが友人や同僚に聞いて回り、ネット検索とYouTubeで大体のイメージがつかめる。あとは写真を沢山撮影し、ホームセンターの店員とひたすら相談。

一つ工程が進んだらまた写真を撮ってホームセンターへ行き、同じ人へ相談する。数日これを繰り返すので必然的に仲良くなるものだ。家のメンテを通じて思わぬところに社会のつながりが生まれるのも面白いところ。



子供達は遊び感覚で壁を塗ったが、きっと彼女たちは将来自分で床を貼り替えたり壁を塗ったりすることに抵抗は湧かないだろう。それは幼少期にこのように体験をしたからである。

これぞまさにスウェーデン文化と言え、私の周りの友人や知人は幼少期に親がやっているのを見たり手伝ったりした経験があるので、床や壁のメンテナンスは自分でやるというのが常識なのである。

子供部屋の床の貼替はこれで3度目の経験だったので数時間で終わった。所要時間も短縮できたし、出来栄えも以前より良くなった。

こちらが貼替後。もちろん床面積や床の質にもよるが、2~3万円で新調できるので、また飽きたり汚れてきたら変えようと思う。



スウェーデンでは残業をせずさっさと家に帰るのが常識だ。また、夏休みは丸一カ月だったりと家で過ごす時間がとにかく長い。

その分家に対するこだわりは一層強い国民性だと言える。私の今年の夏休みは6週間。コロナで遠出はできないことを逆手に取り、リビングの壁を塗りなおし、床を貼り替えようかと検討中だ。

そしてもう何年かしたらこの家を手放す予定だ。そろそろ庭付きの戸建てに引っ越そうかと考えている。次のオーナーに笑われない為にもしっかりとメンテナンスは行っていきたい。

文・写真=吉澤 智哉

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