挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

購入履歴や行動履歴を分析し、顧客一人ひとりのニーズに合わせたマーケティングを行うOne to Oneマーケティング。近年、定着しつつあるマーケティング手法だが、マーケティングオートメーション(以下、MA)元年と言われた2014年以前、その存在を知るものは、ほぼ存在しなかった。

なぜか?国内ではマス広告の考え方が一般的だったからだ。

そんな近年のトレンドとなったマーケティング手法を日本に定着させた男を今回、紹介させていただきたい。セールスフォース・ドットコムで専務執行役員を務める笹俊文だ。2014年、笹は国内でMarketing Cloud(※)を立ち上げ、事業責任者としてOne to Oneマーケティングを啓蒙してきた。

今でこそ国内有数のMAとしてなったMarketing Cloudだが、ローンチ当初は苦戦したと言う。昔のマーケ施策は、企業が“顧客体験”を考えずメールを一斉送信する、企業の都合主義の時代だったからだ。

そう、マーケティングに「おもてなし」の精神が欠損していたのだ。マス的なマーケティングから、体験ファーストの施策への転換......そんなダイナミックな変化を、笹はどう仕掛けてきたのだろうか。まず、彼のキャリア遍歴から追って伝えていこう。

※セールスフォース・ドットコムが提供するOne to Oneカスタマージャーニーを実現するマーケティングプラットフォーム。

マネージャーへの抜擢でまず学んだ、メンバーへの「おもてなしの心」


まず、笹のキャリアをさかのぼってみよう。1990年、イギリス留学から帰国した笹は新卒でプライス・ウォーターハウス(プライスウォーターハウスクーパース)に入社。まだERPが業務パッケージと呼ばれていた時代に、パッケージ導入のコンサルタントとしてキャリアをスタートする。

4年後、プライス・ウォーターハウス時代の先輩からの誘いで、現在オラクルで販売されているグローバルERPパッケージを開発したJD Edwardsに5人目の社員として入社し、28歳でマネージャーに抜擢された。ここでの経験が笹のキャリアに大きく影響したという。

「若くしてマネージャーに抜擢されたこともあって、当時のメンバーのほとんどが年上だったんです。私よりキャリアの長いメンバーをどうマネジメントすればいいのか、最初は戸惑いを隠せませんでした。そこで幸いなことにサーバント・リーダーシップという考え方に出会ったのです。

『教えようと思うな。彼らの障害を取り除くことが君の仕事だ』、そう上司から言われ、まずは部下のサポートに専念しようと」



今でこそ定着しつつある傾聴型のマネジメント手法ではあるが、この考えを手にした笹のキャリアはより一層、加速する。JD Edwardsや次に転職した日本アリバ(現 SAP Ariba)、インフォアジャパンで目覚ましい結果を残し、数社を経た後、笹はセールスフォース・ドットコムに参画することとなった。

ユーザー企業に、「顧客視点」という気づきを


笹が転職したちょうどその頃、セールスフォース・ドットコムは業界をリードするクラウド・マーケティングプラットフォームを提供するExactTargetを買収する。SNSやモバイルデバイスなど、新しいテクノロジーを利用する消費者と企業が増えたことから、従来の広告予算がデジタルマーケティングに流れる企業が増えることを見越したのだ。

買収から1年をかけ、セールスフォース・ドットコムはExactTargetのソリューションを統合したプラットフォームを国内向けにローカライズし、2014年にMarketing Cloudを立ち上げた。その事業責任者に抜擢されたのが、当時技術部門にいた笹だった。

デジタルマーケティングに予算を割く流れがあったとはいえ、当時はまだデジタルを通じたOne to Oneコミュニケーションが国内に浸透してない時代。笹はまず、何を仕掛けたのか。

「当時はマーケターたちの多くがマス広告の次を模索していたが、答えを見つけられずにいた。そんな中、『おもてなし』という言葉が世界的に注目され、マーケティング業界でもデジタルにおける『おもてなし』を重視しようというメッセージを強めていきました」

しかし、Marketing Cloudの価値を理解できない経営者も当時は多かった。なぜなら、都度カスタマイズする手法にはそれなりの工数がかかるというイメージがあったからだ。そこで笹はエグゼクティブ向けにセミナーを開催し、One to Oneマーケティングの啓蒙活動を徹底的に行なっていった。

「たとえば、アパレル企業の販売スタッフは、店舗にきたお客さんにとにかく売るということに意識が行きがちで、eコマース事業とお客さんを奪いあうことがあるんです。でも、全体で見ればそれは企業の売上損失につながりますよね。変な話、店舗にきた方がファンになって、ECで買ってもいい。その逆も然り。

そこで、我々はカスタマージャーニー作成のためのキットを自社で独自開発し、ワークショップを何度も開催したのです。そのキットを使い、実際にカスタマージャーニーをつくってもらい、One to Oneマーケティングの効力を肌で感じてもらうことに努めました」



こうしたワークショップを、自動車、保険、銀行などあらゆる業界の担当者向けに実施した結果、カスタマーエクスペリエンスを通じて顧客と関係を構築することがいかに重要か、各業界のエグゼクティブたちは理解を深めていった。

そして、One to Oneマーケティングの重要性が浸透していったのだ。

「30年に一度」の潮流を、今、共に楽しもうじゃないか


現在、笹はMarketing Cloud事業に加え、50名規模の韓国リージョンも統括している。

ただ、韓国のマーケットでは笹がこれまで培ってきたセオリーが通用しない。たとえば、日本なら業界ランキング10位の企業をまず攻めて型をつくり、それをもとに業界上位の企業を攻める計画が立つが、それは国内の市場感があってこその戦略だ。しかし笹はここでもサーバント・リーダーシップの考え方で韓国支社との関係を築き、事業を推進していく。その際、笹を後押ししたのは「目的ありき」で組織を変革するセールルフォース・ドットコムならではのカルチャーだ。

「外資だと日本のように、人ありきで組織変革を進めることはありません。『あの人と仕事がしたい』とか『あの人にはこんなスキルがあるからこの仕事を任せよう』とか。人ありきでマネジメントしようとすると立ち行かなくなるんです。重要なのは『何をやるか』であり、そのために『誰が必要か』。セールスフォース・ドットコムでは特にそのカルチャーが色濃いと感じています」

そんな笹の野望は、次なる主力製品、Customer 360を通して、さらに顧客体験を心地よいものへの磨き続けることだ。

「私たちが今目の当たりにしているのは、30年に一度の大きな潮流だと思うんです。1990年〜2000年にかけてERPでバックエンドを統合する流れがありましたが、あれはまさにバックエンドのビッグバンだった。その30年級のものが、今回の顧客関係の全統合。今、仕掛けようとしているCustomer 360ならそれができる。だからこそ、ERPと同じくらいのインパクトを生めるプロジェクトだと思っています」

人口増加が続いた高度成長期は終わった。もはやプロダクト・アウトでいいものをつくって、マス広告を打てば製品が売れる時代ではない。少子高齢化も進み、新規顧客を獲得する難易度は数段上がった結果、既存顧客を重視したサービスが求められるように。そう、より顧客フォーカスの施策が求められるフェーズになったのだ。

だからこそ、より「おもてなし」の心を大切にする笹の考えは市場にとって必要不可欠といえよう。

「一度顧客を手放してしまうと、呼び戻すためのコストは凄まじい。だからこそ、顧客の体験を磨き続ける必要があるんです。それが、これからの日本に必要なマーケティングだと思っています。その上で必要なので、顧客情報を360度マージすること。

ただ、お客様の環境で考えたら、いきなりシステムを全て統合しデータを集約することは難しいでしょう。だからこそ、一社一社、丁寧に支援していくこと。そしてひとつのソリューションで360度の関係構築ができるわけではないので、企業文化すらも変えていかないといけないでしょう。それが私の次の仕事になるかもしれませんね」

笹俊文。マーケティングを愛し、マーケティングに愛された男。あくなき探究心で、彼はこれからも続々と、「本質的な問い」を世に届け続けてくれるだろう。

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