意外なことに、「ITインフラの維持管理」と「一時帰休やレイオフした従業員の再雇用」を課題として挙げたのはどちらも回答者の1%であり、この項目の選択肢としては最も低い割合になった。

また、今回のコロナ危機の長期的な影響として、サプライチェーンのローカライズが進むと答えた企業幹部は70%に達した。今後は自社事業の意思決定がスピードアップし、機動性が増すとした回答者も、全体の65%を占めた。また、39%が「ナショナリズムの風潮が高まり、旅行が減るだろう」と予想した。

今回の調査結果からは、ビジネスモデルの早急な見直しに入る企業の姿も浮き彫りになった。例えば、「新たにデジタルおよび電子商取引の対応能力を増強した」との回答は全体の33%に達している。そのほかにも20%の企業幹部が、事業継続のために新たな資金繰りの手法を導入したと述べている。その手法は、政府の景気刺激策の活用、借り入れ、連邦倒産法第11条申請(再建型倒産処理手続)などさまざまだ。

今回の調査でわかった意外な事実としては、すべての企業がこのコロナ危機で苦境にあるわけではないという点が挙げられる。調査に回答した経営幹部のうち17%が、自社の事業はすでに落ち着きを取り戻した、あるいは6月末までの当四半期にそうなる見込みだと回答している。

ウエスト・モンローの報告書は幅広い業種を対象としており、年間の売上高が2億5000万ドル(約268億円)以上の企業の経営幹部からの回答をまとめている。回答者の大半は、年間売上が5億~30億ドルに達する企業の経営に携わっている。

調査対象となった企業幹部の過半数は、最高情報責任者(CIO)あるいは最高財務責任者(CFO)で、最高経営責任者(CEO)や社長も13%を占める。

今回の調査では、今後の懸念事項として、以下のような回答も目を引いた。「現在の環境下では、事業のパートナーや顧客、従業員の行動が予想できない」というリスクを挙げた企業幹部は21%に達した。また、15%は「従業員をレイオフあるは一時帰休させざるを得ない可能性」、同じく15%が「サプライチェーンの混乱」を懸念していると答えた。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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