ビジネス

2020.05.20

代表就任と同時に産休・育休に。「SHE」福田恵里の覚悟

SHE代表取締役CEOの福田恵里


7割の女性が「会社に依存しない生き方」を希望


──「夢を応援したい」と福田さんが強く思うに至ったきっかけはなんだったのでしょうか。

そうですね。SHEを通じて自分らしい人生を手に入れた女性と出会えるたびに、私の思いも揺るぎないものになっていきました。

たくさんの女性たちの顔が浮かびますが、やはり印象深いのは創業してまもない頃に参加してくださった方です。例えば、大手航空会社でCAを経て旅行会社の総務事務をなさっていたAさん。「ハードワークを避けて転職したけれど、やっぱり自分の強みを生かせる仕事をしたい」とウェブデザインを学びにきました。

会社勤めをしながら毎朝早起きして本当に熱心にデザインの勉強をされていたのですが、周囲にも夢を発信していたことで、少しずつ友人知人から仕事が来るように。SHEを卒業してからも努力を続けられて、現在は独立して著名なインフルエンサーから声がかかるほどになったそうです。「SHEに通ったことで、私の人生が変わった」とおっしゃってくださって、本当にうれしかったです。

女性がスキルアップを通じて求めるのは収入だけじゃなくて、「自分の好きなことや得意なスキルを生かして、能動的に働き方を選べる自信」。これからも単にスキルを提供するのではなく、生き方そのものを変えていける価値にこだわっていきたいです。

──外出自粛が続く今、“学び”や“スキルアップ”への関心は高まっていると感じますか?

体験入会のお申し込みだけで約1.5倍になっています。在宅時間が増え、職種によっては休業を余儀なくされる状況の中で、「この自粛期間中に自分自身に力をつけて、キャリアチェンジにつなげよう」と考える方も増えているように感じます。

3月末に独自に行った調査(20〜40代の働く女性184人対象)では、回答者の7割が正社員だったにも関わらず「企業に依存しない生き方を身につけたいと思った」と答えた方が過半数となって、今回のコロナ危機が女性にとってもキャリアを真剣に考え直す機会になっていることが分かりました。



「時間や場所に制限されず自分らしく生きていきたい」という気持ちに一層応えていくため、今後ニーズが増えると予想されるWEBデザインやライティング、SNSマーケティングなどパソコン1台あれば柔軟に働けるキャリアにつながる機会の提供は強化していきたいですね。
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文=宮本恵理子

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