幸福学で注目のサントス教授が教える、Withコロナ時代を生き抜く方法

イェール大学だけでなく、オンラインでも人気を集めるローリー・サントス教授 (GettyImages)


メンタルヘルスへの影響


今、精神的健康を保つための解決策が求められているのだと、サントス教授は言います。手洗いやソーシャルディスタンスなどの明確なアドバイスとは違い、自分がどう感じているかについてケアすることはあまり単純ではないからです。

「誰もが不安や不確実性を感じ、一種の恐怖に苦しめられています。人々は自分の気持ちを和らげるためにできることを探しているのです」と、彼女は言います。

「この授業では、研究により心の健康が改善されることが示されている、科学的根拠に基づいたヒントを得ることができ、それは、今すぐ実践することができるものです」



パンデミックによるロックダウン措置でストレスや不安を感じている人に対する心のケアが必要なことは、データにも明確に表れています。

米国の世論調査会社、ギャラップが最近実施した調査によると、米国人の60%近くが不安を感じると回答しており、昨年の夏と比較すると20%も増加していることが分かりました。一方、自分の生活が豊かだと思う人の割合は49%弱と、2008年の金融危機以来、最低レベルに落ち込んでいます。

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新型コロナウイルスの危機が広がる前に、サントス教授には、自らのアプローチをロードテスト(試運転)する機会が豊富にあったと言います。

2018年、イェール大学で「心理学と幸福な人生」という新設コースを開始したところ、瞬く間に同大学の歴史の中で最も人気の高い講座となり、学生の4分の1近くが受講するほどでした。この人気の理由を「学生が、科学的根拠に基づいてメンタルヘルスを改善する方法を探していたから」と彼女は言います。

30年の歳月をかけて、研究者たちが「幸せな人はどんなことをしているか」という疑問に根ざし、彼女のアドバイスの根拠となるエビデンス=証拠を収集してきました。効果的な3つの教訓とは......。
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文=Harry Kretchmer, Senior Writer, Formative Content

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