ビジネス

2020.05.19 11:30

3カ月で215万本の売上を記録──異例の大ヒット、EXILE監修「レモンサワー」の開発秘話

LEMON SOUR SQUAD from NAKAMEGURO

1カ月で100万本──異例の大ヒットを記録した商品がある。それがLDH JAPANと宝酒造、ローソンが共同開発したEXILE監修の本格レモンサワー「LEMON SOUR SQUAD」だ。同商品は「LDH PERFECT YEAR 2020」の開催を記念し、2020年1月1日から全国のローソン店舗で発売を開始。しかし、1カ月で100万本という想定を大幅に上回る大ヒットに一時は生産が追いつかず、販売をストップするほどだった。

現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの人が在宅生活を余儀なくされリモート飲みが普及している。そうした背景もあり、「LEMON SOUR SQUAD 」の売れ行きは好調で、販売先はローソンのみであるにもかかわらず、3カ月で215万本も売れている。

レモンサワーはEXILEを象徴するドリンク。デビュー当時からメンバーがこよなく愛し、夢を語り合いながら飲んだという逸話は、ファンだけでなく多くの知るところとなった。

そんなEXILEを語るのに外せないレモンサワーを、商品として完成させるのには、並々ならぬ苦労があったという。LDH JAPANと宝酒造、ローソンという3社のコラボにより生まれたレモンサワーの開発秘話を語ってもらった。


商品開発に携わった3人。(左から)LDH kitchen社長の鈴木裕之、宝酒造・酒類事業本部の小澤真一、ローソン・商品本部の中村良平

ウォッカが主流の中、必ず「焼酎」で


LDH:もともと「LDHといえばレモンサワー」というイメージがファンの中ではあったんです。LDH JAPAN会長のHIROがEXILEを結成したときに、レモンサワーを飲みながら夢を語りあった、またコンサートの打ち上げでメンバーを含めた関係者でレモンサワーを合計2500杯飲んだなど、ファンの間では語り草になっている逸話が数々あります。

そして2020年、LDHは6年に1度の大イベントとして確立された「PERFECT YEAR」を迎えます。“アニバーサリー・イヤー”ともいうべき年に、僕らが長年大事にしてきたレモンサワーをファンの人たちにも飲んでもらいたい、という思いからこのプロジェクトが立ち上がりました。

ローソン:我々にレモンサワー開発の相談をいただいたのは2018年はじめだったと思います。ありがたい話だと思う反面、レモンサワーはLDHさんの思い入れが強いので、プレッシャーも感じました(笑)。ただ、夢や熱意を商品として形にすることが大事だと共感し、半ば商売度外視で開発を始めました。

市販されている缶のレモンサワーのベースはウォッカが主流ですが、LDHさんの強いこだわりもあり、「必ず焼酎で」というオーダーでした。そのため焼酎に強い宝酒造さんにお声がけし、3社で開発を始めることになったんです。

宝酒造:業界の垣根を超えての商品作りは弊社にとっても数少ないことで、お声がけいただいたとき、社内からは「イメージのものを開発するのは難しいのでは?」という懐疑的な声もありました(笑)。ですが、当社の強みである焼酎へのこだわりをお聞きして、ぜひともチャレンジさせていただきたいと思ったんです。
次ページ > 開発には2年弱を費やす

構成=井澤梓 写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事