eスポーツのイベントも中止となっているが、多くの試合はオンラインで開催されている。この結果、これまでリアルな競技を対象にしていたスポーツ賭博ファンの多くは、eスポーツに賭けるようになった。
「この3カ月間で、全ての経営指標が急上昇している。売上高は2019年11月から13倍に、デポジットの額も10倍に増加した。このトレンドは世界中で見られている。登録者数の増加だけでなく、賭け金の平均額も増加しており、2月からほぼ倍増した」とeスポーツの賭博サイトLuckboxのCEOであるQuentin Martinは話す。
消費者だけでなく、スポンサー企業や投資家もeスポーツに目を向け始めている。彼らは現状のブームに乗ってeスポーツへの投資額を増やしているのだ。
「新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中で多くの人が苦しむ中、eスポーツやゲームの注目度は高まった。ユーザー数や賭け金が増加しただけでなく、投資家の関心も高まっている。彼らは、eスポーツがリアルなスポーツ競技に比べてパンデミックや今後予想される不況の影響を受けにくいことに気づいたのだ」とMartinは言う。
一般的に、eスポーツ競技をオンライン開催すると番狂わせが生じやすいと言われている。背景には、技術面や通信環境の問題に加え、プレーヤーが自宅だとより落ち着いてプレイできるといった要素が影響している。番狂わせは試合を面白くするだけでなく、ブックメーカーの収益性も高めることになる。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが収束すれば、スポーツ賭博ファンの多くは賭けの対象をリアルなスポーツイベントに戻すだろう。それでも、Luckboxのようなeスポーツに特化したブックメーカーは、今回のパンデミックによって長期的に利益を得ることができると見られている。
「いずれ事態が収束すれば、ファンは昔から馴染みのある競技に賭けるようになるだろう。しかし、この数カ月の実績によりeスポーツ賭博のポテンシャルが立証された。成長スピードは鈍化するかもしれないが、成長トレンドは継続するだろう。今後も多くの人が継続してエンゲージしてくれることを期待したい」とMartinは語った。