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ビザの問題から立ち上がったクリーンな来日モデル


その名前からもわかるようにone visaは外国籍人材のビザ申請・管理をWeb上で効率化するシステムを提供しているが、ここ数年は海外での人材育成にも乗り出している。カンボジア・プノンペンにある教育施設「one visa Education Center」では、立ち上げから累計250名以上の現地人に、無償で日本語と日本の飲食業界にまつわる基礎知識を教育してきた。

その背景には、悪質なブローカー、本人の借金や逃亡などさまざまな問題を抱える「技能実習制度」の歴史の払拭と、新たなビザ「特定技能」を利用したクリーンな来日、就労モデルの実現がある。

「従来は来日費用やブローカーへの斡旋費用、飛行機代など、母国で借金を抱えて来日する方が多かったのですが、私たちがまずはそこを負担し、特定技能ビザを使って来日することで、紹介元の日本企業からフィーをいただく。本人の借金を作らずに済む仕組みです。

さらに、来日後はone visaで取得したビザ情報を基盤に、外国籍人材の信用スコアを算出。従来は多くの手間が発生していた日本での口座開設やクレジットカードの発行、家賃保証の与信として利用できます」(岡村)

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「外国籍の方と関わりの少ない方々の多くは、なかなか自分ゴトとして捉えにくい問題だと思います。しかし、実際に日本は海外から来た人材を不当に扱ったり、借金を抱えて来た方にも給与をきちんと支払わなかったりする事例もあるなど、悪い面が多くの国で認知されはじめています。フランク・パブロフという方の「茶色の朝」という本があります。シンプルな短い本なのですが、今後の日本に期待することのわかりやすい事例として紹介すると、舞台は“茶色以外のペットを飼うことを禁じる法律が施行された世界”です。

主人公は、違和感を感じつつもなんとなくその流れに乗って自分の飼っていた黒猫を殺してしまい、茶色の新聞しか読んではいけない、服も茶色、街並みも茶色一色に染まり、ついには異論が一切排除されてしまう。

最終的には“過去に茶色以外のペットを飼っていた人”も逮捕の対象となり、ようやく問題を自分ごととして捉えたころには、ときすでに遅し...。というお話です。このお話を通じて、いかに小さな違和感や自分ごととして捉えにくい問題でも、世の中に関心を持って主張して生きていくべきかを痛感しました」(岡村)

バックグラウンドを認め合える、国境のない国に


「#日本から国境をなくす」プロジェクトは、今後も他の企業や賛同者を募っていくとともに、他の言語にも対応しつつ、新型コロナウイルス感染症に関する政府からの補償情報を増やしていくことも視野に入れている、という。

「必要とする当事者のもとに、情報が届くこと。そして今回のプロジェクトをきっかけに、そもそも外国籍の方々と関わりのなかった方、発言する機会のなかった当事者自身も声をあげられるようになってほしいです。

互いのバックグラウンドや文化の違いは認め合いつつも、外国籍も日本籍もフラットで、例えるなら『大阪出身か東京出身』か、ぐらいの認識になるのが僕の理想ですね。誰もが同じ国の住民であり、お互いに関係があるんだという認識が広がると信じています」(岡村)

編集=新國翔大

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