米配車大手のウーバーは先週、全従業員の14%に当たる3500人の解雇を発表した。従業員が在宅勤務していることを受け、同社はオンライン会議のZoom(ズーム)を通じて対象者に解雇を知らせた。
このニュースを最初に報じた英紙デーリー・メールは、Zoom会議の動画を入手。ウーバーの顧客サービス部門長であるラフィン・シェバローはその中で、対象者に対して「きょうが皆さんのウーバー勤務最後の日となる」と通告。「皆がうわさで耳にする前に、できる限り早く伝えられるよう、この方法を取らざるを得なかった」と説明した。
新型ウイルス流行が始まってからZoomを通じて従業員を解雇した会社はウーバーが初めてではない。米ITニュースサイトのザ・バージ(The Verge)はこれに先立ち、電動キックスケーターシェアの米スタートアップ、バード(Bird)がドラマ『ブラック・ミラー』を思わせる冷淡な方法で406人の従業員を解雇したことを報じていた。
同サイトによると、解雇を全く予期していなかった従業員らは、全ての予定のキャンセルが通知され、一方通行のZoom会議にログインするよう指示された。会議では、音声が原稿を読み上げ、解雇を通達。スラックなどのアカウントは閉鎖され、最終勤務日が設定された。
一方でエアビーアンドビーは、より良識のあるアプローチを取った。同社は約7500人の従業員の25%に当たる約1900人を削減すると発表。共同創業者のブライアン・チェスキーCEOは従業員に向けたメッセージで、全員が状況についてよく理解できるよう、透明性を約束し、経営状況についての詳細を提供。
さらに「この決断は、チームのメンバーの仕事ぶりを反映するものではない」と述べ、「素晴らしい人材がエアビーアンドビーを去っていく。他の企業は、あなた方のような人材を採用できて幸運だ」と述べ、感謝の気持ちを示した。