アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

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クラブハウス(Clubhouse)という名の、声をベースとしたソーシャルメディアアプリが評価額1億ドル(約107億円)で資金調達を実施した模様だ。このアプリは現在ベータ版の状態で、利用を希望する人はグーグルのフォームで申請を行う必要がある。

関係筋の証言によると、シリコンバレーの有名ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツは、クラブハウスのシリーズA資金調達で、初期段階で1000万ドルを出資し、続いて少なくとも200万ドルを出資したという。クラブハウスの評価額は1億ドルをやや上回る額だという。

アンドリーセン・ホロウィッツのパートナーのAndrew Chenは、クラブハウスの取締役に就任する予定という。フォーブスの取材に、2社はコメントを避けた。今回の資金調達に絡むニュースは、The InformationやAxiosらが伝えていた。

数カ月前にユーザー数がゼロだったクラブハウスが、これほどの評価を受けるのは異例の事態だ。しかし、このアプリがVCやテック業界の大物の関心を引きつけるものであることは間違いない。

クラブハウスの利用者は、ヴァーチャルな会議室を立ち上げて、他の参加者らとミーティングが行える。シリコンバレーの著名人らは既にこのアプリについて複数のツイートを行っており、マーク・キューバンや俳優のケヴィン・ハートも高い評価を与えている。

アンドリーセン・ホロウィッツは競合のベンチマーク・キャピタルと、出資を争った結果、競争に勝利した模様だ。クラブハウスを設立したPaul Davisonは、グーグルに勤務した後、2011年までの1年間をベンチマーク・キャピタルのレジデンス起業家として過ごしていた。

Davisonはその後、2016年にピンタレスト(ホロウィッツの出資先)に買収されたHighlightを設立していた。そして、2020年2月にグーグル時代の同僚のRohan Sethと共に設立したのが、クラブハウスの親会社のAlpha Explorationだった。

3人の関係者の証言によると、アンドリーセン・ホロウィッツはベンチマークよりも高い評価額を提示し、創業者のアンドリーセン自身の働きかけにより、Davisonの説得に成功したという。さらに、Davisonの昔からの友人であるChenが、アンドリーセン・ホロウィッツのパートナーだったことも、交渉を有利に進めることにつながったという。

ビヨンセ夫妻を起用するアイデアも


ネットスケープの共同創業者であるアンドリーセンは、映画「ジュマンジ」で知られる俳優のケビン・ハートに、このアプリの利用を薦めたという。

クラブハウスは、別の投資家チームから最大2億ドルの評価額による出資のオファーも得ていたと、複数の関係者がフォーブスの取材に明かしている。しかし、Davisonはその申し出を断った模様だ。

アンドリーセン・ホロウィッツは、クラブハウスが次世代のソーシャルメディアを牽引していくと見込んでいる。出資者の一人は、「ビヨンセとジェイ・Z夫妻にアプリの利用を呼びかける動きもある」と述べた。

「マークは、ケビン・ハートをアプリに呼び込んだが、これほどのセレブをアプリに呼び込めるベンチャーキャピタルは他に無かった」と、その出資者はフォーブスの取材に話した。しかし、別の関係筋によると、アンドリーセン・ホロウィッツがディールを獲得できたのは、単純に提示した額が高かったからだという。

編集=上田裕資

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