「20世紀的システムから人々を解放し、多様性が爆発する社会をつくる」ことをビジョンに掲げる代表取締役CEO・高木新平さんが、コロナ以降の世界で「ビジョニング」がより重要になると語る理由とは。
ソーシャルイシューを起点に事業やブランドをつくる企画集団
「ビジョニングカンパニー」を謳うニューピース。そもそも「ビジョニング」とは?
「その企業や団体が『どんな未来を信じているか』という独自のビジョンを掲げ、その世界を実現するために一気通貫しての行う活動の蓄積を『ビジョニング』と定義しています。組織がビジョンを掲げるとき、その背景には必ず何かしらのソーシャルイシューが存在するもの。それらを捉えた企画にすることで、社員やユーザー、メディアなどすべての関係者を味方にしながら、事業と社会を前進させることができます。
ニューピースコーポレートサイト「What’s Visioning」に記載された「ビジョニング」の概要図
例えば、パタゴニアは『故郷である地球を救うためにビジネスを営む』と宣言しており、いち早くオーガニック素材を採用したり、ショッピングバッグを廃止したり、長年にわたって売上の1%を草の根環境保護グループに寄付したりしています(1% for the planet)。さらに2020年までに再エネ100%、2025年までに全素材をリサイクル可能にする変革を進めています。一貫した思想とアクションが世界中に強烈なファンをつくり、広告よりも効果の高いPRを実現していく。これがまさにビジョニングです」
1987年生まれ。早稲田大学卒業後、博報堂に入社。2015年にVisioning Company NEWPEACEを創業、代表取締役CEOに就任。政府、自治体、大手企業からスタートアップまで幅広い組織のビジョン開発・浸透を手掛ける。「『ブランディング』は過去につくった既存の資産・人材を活用して差別化する手法ですが、『ビジョニング』は描く未来を軸に新しいビジネス、新しい仲間をつくっていく手法です」