人生をありのままに受け入れる「サステナブルな幸せ」
フィンランド国内にはおよそ300万ものサウナがあり、1人あたりの数は世界一だ(画像=Business Finland)
自他ともに認める幸せの国の秘訣とは、「サステナブルな(持続可能な)幸せ」という考え方にあるようだ。シニア・ディレクターのHeliによると、サステイナブルな幸せとは人生をありのままに受け入れることで、「目に見える表面だけのものではなく、私たちに深く根付いているもの」だという。
フィンランドをはじめとする北欧諸国というと、サウナやオーロラ、自然豊かなイメージを思い浮かべる。それはただ森林の国土面積が大きいという意味だけでなく、自然を文化として日常に取り込んでいるからではないだろうか。サウナの木の香りや火がくすぶる音、ハーブを用いた料理など、フィンランドの人たちは自然を楽しむのが上手なのかもしれない。
「私たちは、サウナでリラックスしたあと、ベンチに腰かけて静かな湖を眺めたり、朝、仕事に行く前に海で軽く泳いだり、という日常のささやかなことにも感謝をします。このような心構えが、今、私たちが置かれている辛い状況下にも耐える力を与えてくれるのです」
フィンランドには40もの国立公園があり、なんと国土の2.7%を占めている(画像=Business Finland)
思い返してみると、日本も自然と共生する文化を持つ国だ。もともと日本語には、「自然」という言葉はなく、山川などの事象を区別する概念を持っていなかったそう。古くから四季を楽しむ文化を守り伝えたり、自然災害に見舞われながらも知恵を絞りながら自然と共生してきた。めまぐるしい日々に少し歯止めがかかった今、フィンランド流の幸せから非日常を体験しつつ、いま一度身の回りの「自然」に目を向けてみてはいかがだろうか。それは「自分」を見つめるきっかけになるかもしれない。