ビジネス

2020.06.02

ロックダウン直前にオープンしたインスタ映えレストランの起死回生

満を辞しての開店もタイミングが悪かった。起死回生の一手は「体験」だった。


インフルエンサーを通じて話題沸騰になる…予定だった


しかし、3月16日にはサンフランシスベイエリアでは、外出自粛が施行され、レストランやバーの営業に大きな制限が設けられた。それにより、この体験型の新しいレストランがテイクアウトのみに追い込まれた。

オープンまでに2年間という年月と、かなりのコストを掛けオープンに漕ぎ着けた。しかしそのわずか2週間後に市によりシェルターインプレイスの要請が発動された。それにより、忙しい日には2万ドル近くあった売り上げが、4000ドルにまで落ち込んだとオーナーは語る。

スタッフをレイオフし家賃支払いの猶予要請も


これにより、スタッフの60%をレイオフせざるを得なくなり、2ヶ月分の家賃支払いの延期を物件の大家にリクエストした。彼らは州政府に中小企業向け支援を申請しているが、いまだ返事は来ていないという。


現在、全国のレストランの多くが苦戦している中、Son & Gardenのような新しいレストランは特に厳しい状況にある。老舗レストランではある程度テイクアウトを求める常連客を期待できるが、新規オープンの所はまだ忠実なファンを確保できていない。

そのため、インスタ映えするブランチのためにデザインされたSon & Gardenも、シェルターインプレイスの下では、テイクアウトとデリバリーのみにピボットしなければならなくなった。

こんな時こそソーシャルメディアを活用


オーナーによると、現在の一番の課題は、レストランの認知度を上げること。人々が店の前を通り過ぎることがほとんどなくなった状態では、飛び込み客を期待することは現実的ではなくなった。そうなってくると、今まで以上にソーシャルメディアを活用し、その存在を知ってもらう必要性が高まっているという。

幸いなことに、Son & Gardenではオープンに合わせ、ソーシャルメディア掲載用に、絵に描いたようなメニューの写真を多数アップしていた。そこで彼らは公式インスタグラムページでデリバリーの広告を始めた。

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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax. inc)

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