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ファッションブランドのグローバル進出に必要な3つのアップデートとは Photo by Shutterstock.com

日本国内のファッション市場縮小を背景に、日本のアパレル企業にとってグローバル進出は避けて通れない。ただし、この「グローバル進出」というのは、今までのファッション業界におけるグローバル展開とは変わってきていると筆者は考える。

従来のファッションブランドのグローバル化といえば、パリコレを代表とするファッションウィークを中心とした卸売と直営店やフランチャイズによる小売の2つのチャネルが主流であった。

しかし、スマートフォンの普及によるSNSやECなどへのデジタルシフトや、環境問題/生産者の人権問題などの関心増加による意味のない消費の見直しにより、既存の2つのチャネルが変わりつつあるのだ。さらに、コロナショックによりファッションブランドのデジタルシフトが今まで以上に必要になっている。

先日btraxが立ち上げたGlobal Brand Experienceというサービスにおいても、リアルとデジタル双方のブランド体験の提供と、ユーザーの中心の視点を持ち、グローバル市場をターゲットとすることを掲げている。

一方で、デジタルシフトしてグローバル展開と言ってしまえば簡単に聞こえるが、ファッションブランドにおけるグローバル展開には様々な課題が出てくる。実際に、ラグジュアリーブランドとしてグローバルに挑戦した筆者の経験や、グローバル規模の直営店、フランチャイズ展開経験がある大手ファッション企業CEOの話からもわかっていることだ。

今回は、ファッションブランドのグローバル展開時に直面する、よくある課題を紹介する。もちろんその課題に対する解決策も言及しているので参考にしていただきたい。

ファッションブランドのグローバル進出の課題とは?


1. 日本向けのデザインに固執するとグローバルで受入れられない


そもそも日本とグローバルで生活習慣や天候や嗜好性に違いがあるので、今まで日本向けに作っていた服がグローバル市場では刺さりづらくなってしまう。当たり前に聞こえるかもしれないが、日本の「良い」とグローバルの「良い」は違うので、日本で作り込んだ「自信のある商品」に固執しすぎるとつまずいてしまう。

例えばラグジュアリーブランドの場合、日本のユーザーはデザインより機能を重視して、グローバルのユーザーはユニークなデザインを重視する傾向にある。筆者の経験でも、日本で売れていたのは、1枚でお洒落に見える防寒のロング丈のミリタリージャケットで、グローバル市場では複雑なレイヤーがあるトレンチコートだった。

すでに日本である程度の業績のあるブランドだと、商品そのものへの固執がなおさら強くなる。自社製品に自信を持つことは悪いことではないが、それがユーザーにとって良いのかどうかは、ユーザーが決めることだ。

解決策:現地ユーザーとの声を集めてプロダクト/サービス開発をする


このような課題に対する解決策として提案したいのが、ブランド・商品をそもそも最初からグローバルユーザー向けにデザインしていくということだ。これが1番理想。

また、すでに日本向けに立ち上げているブランドであっても、ブランドの根底の部分や大事なストーリーは確立しつつ、進出先のユーザーの声を集め、プロダクト開発やサービス開発を進めていくことが効果的だ。

つまりグローバルユーザーを巻き込んだプロダクト/サービス開発には、進出先の土地勘やローカルコミュニティ、ローカルユーザーの理解と繋がりが重要になってくるのだ。まずはそういった繋がりを獲得するための、有益情報取得、現地視察、パートナー探しなどをしておくといいだろう。

ちなみに、日本市場を飛ばして最初からグローバルブランドとしての確立を目指すことには、重要な利点がある。それは、「海外で成功したブランド」として、そのあとの日本市場で戦っていけるということだ。

いわば、逆輸入ブランドとなる。日本人の特性であるが、海外でポジションを築くことができているブランドに対する嗜好性が比較的高いため、日本市場での展開でも有利に働くだろう。

文=Kuni Michishio(btrax)

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