TikTokは子供に有害なコンテンツを放置、米消費者団体が抗議

Photo by Anadolu Agency / Getty Images

中国のバイトダンス傘下の「TikTok」は昨年、13歳未満の利用者のデータを不正に収集していたとして、米連邦取引委員会(FTC)から570万ドル(約6億3000万円)の罰金支払いを命じられていた。

TikTokは今年2月に「ファミリー・セーフ・モード(Family Safety Mode)」を導入し、13歳未満のユーザーによる動画のアップロードやコメントの投稿、メッセージの送信などを禁止し、FTCの命令に従う姿勢を見せていた。

しかし、その後も同社がFTCの命令に背き、一部の動画を子供たちにも閲覧可能な状態のまま放置していると、米国の20の市民団体が抗議の声をあげている。「Campaign for a Commercial Free Childhood」と呼ばれる団体が主導するグループが、その実態を告発した。

TikTokは数百万人に及ぶ子供らを罠にかけておびき寄せ、性的被害のリスクにさらしていると、同団体のエグゼクティブディレクターのJosh Grolinは、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事でコメントした。

「TikTokはFTCの命令に従わず、ルールを無視している」と彼は続けた。

今から約1年前にTikTokは、FTCの要請を受け、13歳未満の子供や年齢が確認できない投稿者がアップロードしたコンテンツを削除すると宣言した。同社はさらに、子供の個人データを収集するにあたり、事前に保護者の同意を得ると述べていた。

この問題は、TikTokのサービスが米国でMuiscal.lyと呼ばれた時代から指摘されていた(バイトダンスはMuiscal.lyを別アプリとして運営していたが、2018年にTikTokに統合した)。

TikTokは世界で最も人気のアプリの1つであり、月間ユーザーは8億人近くに達している。同アプリは今年の第1四半期に世界で最もダウンロードされたアプリとなった。新型コロナウイルスの感染拡大以降、新たに数百万人がTikTokの利用を開始したとされている。

編集=上田裕資

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