キャリア・教育

2020.05.15 11:30

NYの教育改革、ビル・ゲイツ起用に「待った」の声


ゲイツ財団は現在、カリキュラムなどの要素に焦点を置いており、特にコンピューターを使った教育に力を入れている。これは、校舎の必要性を疑問視したクオモ知事にぴったりな方向性に思えるかもしれない。しかし、ゲイツが押し進めようとしている施策やプログラムについて賛成であろうが反対であろうが、覚えておくべきなのは、既存分野の破壊が得意なゲイツであっても、教育界では長期的な成果や意図した効果をもたらす何かを築き上げたことだ。それに、ゲイツは自らの富をほぼ無傷に保ったまま、計画から手を引くことができる。

ゲイツの教育プロジェクトが常に失敗だったと言うのは正確ではない。CCSSでは、教育機関の大部分を、狭義の成功と「データ」への渇望という自己流の考え方に染めることに成功している。しかし、それよりも規模が大きく、検討不足で誤った推測に基づいたプロジェクトは当然ながら、成功するはずもなかった。

ゲイツにニューヨーク州の教育改革への協力を要請するのは、控えめに言っても直観に反している。ゲイツは教育プロジェクトをまた失敗させても立ち直れるが、果たしてニューヨーク州もそれができるだろうか?

編集=遠藤宗生

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