ワクチン開発までの間「ハグの自粛を」、英保健相が呼びかけ

Noam Galai/Getty Images

親しい間柄の人々との物理的つながりを求めている人にとって、この話は聞きたくないものかもしれない──。英国の保健大臣のマット・ハンコックは、ワクチンが見つかるまでの間は、愛する人をハグする行為を(相手が一緒に暮らしていない場合は)控えたほうがいいと述べた。

ハンコックは先日のITVのインタビューで、新型コロナウイルスの治療法が見つかるまでの間、人々がハグすることを「勧めない」と話した。この状況に変化が訪れるのは早くても今年の秋以降になると彼は述べ、ワクチンが開発されるのが秋以降になることを示唆した。

オックスフォード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームは現在、ワクチンの開発を進めており、先月から臨床試験を開始した。治療の有効性が確認された場合、早ければ今年の9月から適用が始まる。

しかし、政府の主任科学アドバイサーのPatrick Vallanceによると、試験プロセスはこれより長引く見通しだ。

イングランドでは段階的なロックダウンの解除が進んでおり、5月13日以降は同居する人々と一緒にスポーツを楽しむことや、公園への外出や屋外で運動することが許可されている。しかし、同居していない相手と公園で会う場合は、2メートルの距離を置く必要がある。

在宅勤務を行えない人々は13日から職場に通勤することを許されたが、英国最大の組合であるUNITEは政府の通達が曖昧であり、通勤の際の公共交通機関での安全が確保できないと批判した。

政府が強い指針を打ち出さないことで、労働者が危険にさらされているというのが彼らの主張だ。

英国における新型コロナウイルス感染症による死者の数は、欧州で最多となっており、米国に次いで世界で2番目に犠牲者が多い国となっている。ジョンズ・ホプキンス大学のデータで、英国の死者数は3万2700人を上回っている。

編集=上田裕資

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