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2020.05.17 16:00

お客さまに会いに行くからこそシルバーのSSケースで|時の哲学

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インビクタスは「科学的アプローチで営業の世界に革命を!」というキャッチフレーズのもと、昨年11月に創業したばかりの新しい会社である。創業者の岡代表は、博報堂、プルデンシャル生命保険で営業をされていたビジネスマン。ご本人は、自らを「サラリーマンでした」というのだが、ただのサラリーマンではない。

「博報堂では、CMやパンフレットの制作を請け負う営業でした。仕切り屋ですね。でも歯車になってる感じに違和感を覚えたので、フルコミッションの営業の世界、プルデンシャル生命に転職したんです。自分の実力次第で1億円、2億円プレイヤーになれるかもしれないということを聞いて、楽しそうだな、と思ったのがきっかけでした」

そんな夢のような話が実現したのかどうか。そこまで聞くのは無粋というものではあるが、営業職が3000人ほど在籍するなかで、個人保険で2位になり、支社長まで務めたということだから、相当なところまでいったということは想像に難くない。

現在お持ちのパテック フィリップ「5205 年次カレンダー」も、プルデンシャル生命時代に購入した。ケース、文字盤、そし てベルトにはこだわりがある。

「お客さまに会いに行く仕事なので、ケースの色はシルバー、文字盤は白、それに黒い革ベルトがいいと教わりました。それでパテック フィリップなら間違いないと。それに時計は、やはり時計屋さんのものにすべきではという持論があり、前から一度はしてみたいと思っていたこともありましたので」

ファーストパテックは、10年前に購入したシンプルなカラトラバだった。現在愛用する「5205」は、2本目である。

「本当は、妻の誕生日プレゼントにと、時計を見に行ったんです。そうしたら、この5205がディスプレイされていました。あまり置いていないモデルでもあったので、すぐに購入してしまいました。妻の時計より先に(笑)。デザインがシャープですし、きちんと時間が見られるところが気に入りました。営業ですから。それに年次カレンダーなので、時間調整をしなくていいところも便利ですね」

シンプルにいいもの、スーツに似合う時計を選んでいるということは顧客と接する機会が多い営業職だからだろうか。就職して以来、一貫して営業畑を歩んできた岡さんらしい選択である。

インビクタスは科学的に営業メソッドを構築し、企業を支援していくという会社。

「営業は職人技ではなく、理論なんです」という岡さんの理念がどこまで浸透していくのか、愉しみである。
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photographs by Kazuya Aoki | text by Ryoji Fukutome | edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN 4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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