このニュースを最初に報じたApple Insiderによると、アップルが取得した「圧力管理デザイン」に関する特許が5月12日に公開された。資料には次のように記載されている。
「この発明は、血圧の測定と管理に関するものだ。具体的には、圧平眼圧測定法(Applanation Tonometer)を血圧測定に用いている。この技術は、動脈圧を測定する場合や、ユーザーが装着したデバイスを使って非侵襲的に血圧を測定・管理する際に用いることができる。手首に装着したデバイスのサンサーアレイを用いて血圧を測定する」
圧平眼圧測定法は流体圧力を測定する手法で、主に眼圧の測定に用いられている。この技術を用いると、別のデバイスを使わずに調整(キャリブレーション)が可能になる。
サムスンの最新スマートウォッチ「Galaxy Watch Active」も、今秋から血圧を測定することが可能になるが、まずは韓国限定になる予定だ。この機能を使用する際、月1回はウォッチとは別の専用カフを使って血圧を測定し、調整しなければならない。
専用カフがない場合は追加で購入する必要があり、月1回は調整をしなければならない。現行のアップルウォッチの場合、別デバイスを用いて血圧を測定して値をウォッチに保存することができるが、手間がかかるのが難点だ。
これに対し、アップルが新たに取得した特許は、別デバイスを用いる手間を省き、アップルウォッチに内蔵された様々なセンサーを使って血圧を測定するというものだ。
特許書類には、次のように記されている。「センサーアレイには、隙間を隔てて隣接した電極の上部に位置する柔軟な伝導性フィルムなど伝導性のシリコンレイヤーが含まれる」
「柔軟な伝導性フィルム」はウォッチ本体の一部ではないと考えられる。特許書類に記された図を見るとストラップの様に見えるが、図の説明には、「公開した用途に基づくデバイスの一例」と書かれており、実際のプロダクトがどのようなものになるのかは、今ひとつ見えてこない。
ここで注意したいのは、特許書類にはアップルウォッチとは一言も記されていないことだ。しかし、アップルはアップルウォッチのヘルス関連機能の強化に注力しており、この技術が実現した際にアップルウォッチに搭載されるのは間違いないだろう。
アップルは、このテクノロジーの準備が整い次第、プロダクトに実装すると考えられる。