ビジネス

2020.05.14

コロナ禍をチャンスに。シリコンバレー在住の日本人起業家が、5.7億調達で描く成長のシナリオ

5.7億円を調達したAnyplaceのメンバー


「世界には各国に長期賃貸の物件を探すマーケットプレイスがありますし、短期宿泊のニーズはエアビーアンドビーなどのマーケットプレイスが満たしています。ただ、Anyplaceの立ち位置はその中間です。僕たちのサービスの特徴はホテルを予約する感覚で、面倒な手続きがなく賃貸物件を借りれることにあります。

月貸しの居住スペースを集めたマーケットプレイスで世界的な認知を取れているものはないので、そのポジションを狙っていければ、と思っています」(内藤)

平均滞在期間は3カ月から7カ月に倍増


ここ1年ほどで、固定の住居を持たず、全国にある拠点を移りながら暮らす「アドレスホッパー」などの新しいライフスタイルの価値観が台頭してきたことで、Anyplaceのユーザーあたりの平均滞在期間は3カ月から7カ月に伸長。1年で2倍になっているという。

「Anyplaceが重視している指標のひとつとして、滞在期間をどれだけ伸ばせるかがあります。アメリカの賃貸物件は1年契約のところが多いので、平均滞在期間を12カ月まで伸ばすことができたら、賃貸の新しいカテゴリーを作れると思います」(内藤)

平均滞在期間を伸ばすために掲載する物件数を増やし、世界中で使えるように使えることもそうだが、その他には既存ユーザー向けのロイヤリティプログラムを拡充するという。



具体的には、使えば使うほどお得になるロイヤリティプログラム、クリーニングやジムなどローカルサービスの割引が受けられる特典プログラム、ユーザー向けのオンラインコミュニティなどをイメージしているそうで、年内にはスタートさせる予定とのこと。

すでに、ローカルサービスの割引が受けられる特典プログラムは「Anyplace Perks」という名前でテストも行っている。

「こうした機能を追加していき、『Anyplaceを使った方が便利、安い』という付加価値をユーザーに提供していきたい、と思っています」(内藤)

また、Anyplaceは今回のリード投資家であるGA Technologiesとも将来的な協業を考えているそうで、「両社の海外展開において、相乗効果を生み出せていけたら」と語った。

文=新國翔大

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