もともとサブスクランチの構想があり準備を進めていたのだが、新型コロナの発生により一時は事業を見送ることも考えたという。しかしこのコロナ危機により「通い慣れた本郷の店の味が二度と味わえなくなってしまったら寂しい」とプロジェクトを開始した。LeadXの代表、前田将太さん自身、ラクロス部時代本郷の飲食店に行くと、笑顔で大盛りにしてくれたり、言葉をかけてくれたりと食事を通して励みをもらっていたという。
前田さんはこのコロナ危機に対して、「コロナをきっかけに変わっていくものは、コロナがなくてもいずれ変わるはずのことがほとんどだと思う。一方、今回のコロナで浮き彫りになった変わって欲しくない部分は、人々が求めている本質の部分を残した形で存在し続けるでしょう。『変わっていくこと/変わらずにいること』という一見相反するように見える2つの哲学を共存させていくことが大事だと思っている。できることを全て尽くして、再び本郷の街に活気が戻ってくる日を楽しみにしている」と語る。
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街との関係性
両サービスをTwitter上で検索してみると、「この店がなくなったら困る」「この味を食べられなくなるのは嫌だ」とサービスを利用している人が多く見受けられる。お金を払ったことに対してサービスが提供されるのは当たり前のことかもしれないが、その場はいつしか心の拠り所、元気をチャージできる場となっていき、サービスを受ける以上のことを受け取っていたのだと気づかされる。
学生と、大学周辺店舗との関係は切っても切り離せないものだ。サークル活動の協賛金をもらったり、アルバイト先としてお世話になったりと、単なる店と顧客、という関係性を超えた繋がりがある。店と利用者の関係が濃いゆえに支援の輪が広がっているのだと感じる。
多くの時間を過ごす地域はいつしか安心できる居場所となる。そして変わらずそこにあり街を形づくる店のファンとなり、敬意と愛情をもって接するようになるのだろう。そういった街と利用者の関係性が、どうかこの未曾有の事態後、アフターコロナの世界にも続いてほしい。