ビジネス

2020.05.17

癒しと共感と創造力 アフターコロナの時代を築く世界に不可欠なもの

医療従事者を音楽で応援するイベントを企画したレディー・ガガ 写真:Christopher Jue/Getty Images


ビジネスも変化します。顧客のニーズから既存の事業をアップデートするより、社会に対する価値を形にし、意義を深く考え、従業員と経営者が共感しながら事業を開発することが主流となるでしょう。

これからの経営スタイルは、売り上げ重視ではなく、戦略よりも、まずビジョンが前面に出るものに移行していきます。これが強い企業の新しい定義となります。

ブランドや業界で企業を選ぶのではなく、企業と個人のアイデンティティーや心をマッチングさせる仕組みも選択肢として重要となっていくでしょう。

テクノロジーの進化によって、身体の健康状態はもちろんのこと、心もデータ分析されるようになります。これは、人間の仕事をテクノロジーが奪うというようなネガティブな話ではありません。ときに人間は先入観や偏見に支配され偏った分析をしますが、AIが公正で客観的な分析ができると、感性や共感のより良いマッチングが可能になります。

これまで、心や感性はテクノロジーの領域ではないとみなされてきましたが、人間の判断がここまで退化している現状からみても、テクノロジーが判断を担うのは自然の流れだと言えるでしょう。

例えテクノロジーを活用したとしても、人間の悪しき利己的な解釈を取り除き、公正で前向きな感性を抽出し、結果的には共感できる人が集えば、癒され、これまで以上に幸せを感じるはずなのです。

人と人が敬意を払い、ポジティブに共感しながら新しい世界を創ることは、まさにアーティストの作品に共感して一体化するアートの世界そのものではないでしょうか。これがビジネスや生きる意味にまで広がっていくことで、癒しに包まれた幸せな世界が築かれていくはずです。

これがアフターコロナの時代に求められる世界観だと思います。すべての人が平等で愛に溢れることを願っています。

連載:エリックのInnovation and beyond
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文=松永エリック・匡史 構成=細田知美

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