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ドイツの古城にて

『真鍮のむし』(田中啓文著、創元推理文庫、2014年)という小説に、何十年もの間放置された廃品同様の楽器ばかり盗んでは修理する男が登場する。かつてよく使われた楽器には、ガラクタ同然になってもなお、人の心に音色を響かせ、なんらかの行動を起こさせる不可思議な力があるのかもしれない、と考えながら読んだことを覚えている。

Roman Robroekもまた、その力に動かされる1人だ。彼は廃屋の中に打ち捨てられた「ピアノ」の美しさとデカダンスに取り憑かれ、かつてその空間に響いたかもしれない音色に耳を澄ましながら、それらを撮影し続けるオランダの写真家である。

ある種ディストピア的な風景にも思える「廃屋の中のピアノたち」。ここ数カ月、私たちが声もなく戦うことを余儀なくされた災禍をも思いながら、1枚ずつ見ていくことにしよう。

廃屋に響く「無音の旋律」|弾き手知らずのピアノたち(前編)こちら>>


#19 Dance Room Of A Former Bar In Germany(ドイツ、酒場だった建物のダンス部屋にて)


#20 Abandoned Farmhouse(廃墟になった農家にて)


#21 The Living Room Of A Beautiful Abandoned House(廃墟となった家屋の居間にて)


#22 Italian Villa(イタリアのヴィラにて)


#23 Chernobyl(チェルノブイリにて)


#24 Belgium House(ベルギーの家屋にて)


#25 Abandoned School In Abkhazia(廃校になったアブハジアの学校にて)


#26 French Farm(フランスの農場にて)


#27 Garage In Austria(オーストリアのガレージにて)


#28 House In Austria(オーストリアの家屋にて)


#29 Abandoned Theater At A Huge Medical Complex(廃院になった大病院の劇場にて)


#30 Belgian House(ベルギーの家屋にて)


#31 Villa In Austria(オーストリアのヴィラにて)


#32 Polish Palace(ポーランドの宮殿にて)


#33 Abandoned Castle(廃屋となった宮殿にて)


#34 House In Austria(オーストリアの家屋にて)


#35 German Hotel(廃業したドイツのホテルにて)


#36 German Hotel(廃業したドイツのホテルにて)

構成=石井節子

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