世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

世界最大のインテリアの見本市「ミラノサローネ」を開催するなど、常に世界のインテリアシーンをリードしているイタリア。優れた芸術的感性を持ちつつも、いまでも職人の手仕事を尊ぶ姿勢があり、美しいフォルムと極上の素材の融合によって、寛ぎの家具を生み出す。

その本流を歩むのが、1912年創業の老舗「ポルトローナ・フラウ」だ。同社は丁寧な手仕事を極めることで、最高峰のラグジュアリーを引き出した。自宅で過ごす時間が増えているからこそ、快適な空間を楽しみたい。


“デザイン大国”イタリアとポルトローナ・フラウ


イタリアンデザインの原点は、1920年代の「ノヴェチェント」という芸術運動にある。イタリアが統一国家になったのは第一次世界大戦後であったため、周辺諸国よりも近代化や工業化で遅れをとっていた。そこでデザインの力で製品の魅力を高め、工業化を推進する手法を使った。これはドイツのバウハウスなどでも見られたことだが、他国が機能と合理性を重視した一方で、イタリアは古代ローマからルネサンス期に渡る古典的なスタイルを現代に復興させた。それはバラバラだった国民を、偉大な歴史を継承するデザインでまとめようという愛国主義的な意味合いもあった。だからイタリアのデザインには哲学があり、ドイツやアメリカのクールな合理的機能主義とも違った、“エレガンス”があるのだ。


ビートルズの名曲にちなんだソファ「Get Back」を中心としたリビングスタイル。アームチェアは「Martha」で、ペンダントライトは「Xi」。

しかもイタリアは伝統的に地方の地場産業が強く、職人の手作業を重んじる風潮が強い。つまり古代ローマから続く美的感覚と伝統的な職人の手仕事の融合こそがイタリア家具の特徴であり、優雅でラグジュアリーな生活を支える基盤になっているのだ。

1912年にトリノで創業した「ポルトローナ・フラウ」は、長年積み上げてきた手仕事を核にしつつ、古典的なスタイルをモダンに進化させてきた。その実力は、1926年にイタリア王室御用達の使命を受けたことからもわかるだろう。

創業当初の傑作は、ボリューム感のある肉厚クッションに美しいペレフラウレザーで張り込んだアームチェア「ヴァニティフェア」やレザーをボタン留めにする重厚感なデザインを優美にまとめたソファ「チェスター」などだが、現在は世界中のデザイナーを起用して、クラシックとモダンを巧みに融合した家具も世に送りだしている。

デザイナー大城健作が語るポルトローナ・フラウの実力


イタリアンデザインの伝統を守りつつ、モダンなフォルムやスタイルにも挑戦するポルトローナ・フラウ。その実力は、一緒に仕事をした人ほどわかるだろう。プロダクトデザイナーの大城健作は、2016年に発表されたスツール「レプリ」から、ポルトローナ・フラウに仕事に関わっている。


大城健作がデザインした「Leplì」は、ペレフラウレザーの柔らかなプリーツや鮮やかな色調を楽しめる。

「ポルトローナ・フラウでの打ち合わせの際には、常にプロジェクト担当の職人さんが同席します。そして、製作する上での様々な問題の解決のため意見交換を行い、速やかに試作を同時進行で進めます。手仕事の利点は、何が可能で何が不可能なのかを、その場で試す事ができるという事でしょう。こういう環境があるから、様々なアイデアや可能性が生まれますし、驚きや新しい発見に気が付くのです。

職人の手仕事の魅力、それは熟練した職人だからこそ可能な、高い精度の製造技術です。しかしそれと同時に、余裕から生まれる魅力を商品に込められる事も大切です。完璧ではない人間的な雰囲気が生まれ、いわゆる“工業製品”には出せない繊細な美が宿ります。


レザーの仕上げは、職人技の見せ所。ボタン留めの工程は、美しいシワの演出も重要になる。

さらにポルトローナ・フラウには、「ペレ・フラウ」レザーという手触りの良さと柔らかい質感が非常に素晴らしい素材があります。シワ等の表情の豊かさだけでなく、トレンドを捉えた色味の多様性と発色の良さも、デザインする上で大きなアドバンテージになりますね。ポルトローナ・フラウとの商品開発には、デザイナーや職人だけでなく、有能なエンジニアや技術者の存在も不可欠です。この3者が集まることで、“伝統と革新”が生まれるのでしょう」


厳選された上質な子牛の革から生まれる「ペレ・フラウ」レザーは、カラーバリエーションも豊富にそろう。

手仕事が生み出す余裕感や繊細な美は、便利に進化したデジタル時代だからこそ心に響く。こういったところに目を向けることこそが、ラグジュアリーなのかもしれない。

ポルトローナ・フラウと暮らす喜び


2018年の3月に東京・青山にオープンした日本初のモノブランド・ブティック「ポルトロ-ナ・フラウ東京青山」は、ポルトローナ・フラウ本社がデザイン監修をし、ミラノのマンゾーニ通りにある直営ショールームのコンセプトを踏襲する。2フロア構成の店内には、リビングやベッドルーム、キッチンなど、暮らしのシーンをイメージした家具レイアウトを行っており、暮らしのイメージが掴みやすくなっている。(5月15日には、大阪・淀屋橋に国内2店舗目のモノブランド・ブティック「ポルトローナ・フラウ大阪」をオープン)


「ポルトローナ・フラウ東京青山」。東京都港区南青山5-2-13 電話:03-3400-4321 営業時間11:00〜21:00 水曜定休(祝日は除く)関西初出店となる「Poltrona Frau Osaka」が5月15日(金)にオープンしました。https://www.idc-otsuka.jp/poltrona-frau-tokyo-aoyama/

現在は、昨年のミラノサローネで発表された新作を中心に展示する。その中でも注目は、アイコンチェアを現代的に再解釈した「2019」だ。座面を低くすることでリラックス感を高め、さらにシガー用のトレイを、スマートフォン用トレイへと現代的にアップデイトしているのもユニーク。ひとりで寛ぎの時間を楽しむ場所として使いたい。


肘部分の渦巻き状のプリッセ(プリーツ)や背もたれのカピトンネ(ボタン留め)など、伝統的なデザインを継承しつつ、現代的なニュアンスを加えた「2019」。その奥にある椅子が1919年に誕生した「1919」。

また、長年ポルトローナ・フラウの商品を手掛けてきたジャン・マリー・マソーが手掛けたアームチェア「Archibald」からは、座面を高くしたダイニングチェアバージョンが誕生。在宅ワークの切り替えに、食事の時間はとても有効。背もたれに入った優雅なシワは、職人技から生まれるもの。こういった美しい椅子と共に、家族とのひと時を過ごすのも贅沢だ。


背もたれに入る美しいシワで、優雅な表情を作る「Archibald」。左が2009年に生まれたアームチェアで、左が新作となるダイニングチェア。

どちらの家具も歴史を継承しながら、現代の生活にフィットするように美しく進化する。職人の手仕事が目に見えるポルトローナ・フラウの家具たちは、いつだって人々の心に温かな余韻を残すのだ。


人気デザインデュオ、ガム・フラテージが手掛けたベッド「Coupé」は、高級スポーツカーを思わせる柔らかなフォルムが美しい。


直線的でモダンなソファシリーズ「Clayton」なら、キレのある空間に。
【The Shape of luxury to Come】

#1 公開中|“暮らし”をラグジュアリーへと導くIDC OTSUKA 
#2 本記事|“手仕事”をラグジュアリー化する「ポルトローナ・フラウ」
#3 公開中|“眠り”をラグジュアリー化する「レガリア

Promoted by 大塚家具 / edit&text by Tetsuo Shinoda

あなたにおすすめ