就活生「これからの社会に適応できるか心配」
医療に関わる学生のみならず、多くの学生が卒業後や将来への不安を隠せないようだ。就職活動中の学生も、改めて志望業界や目指す将来像などを考え直しているようだ。
「自粛要請だけでなく、失業してしまった人やそのリスクに陥っている人々を支える制度がまだ十分に整備されていない中、これからの社会に適応できるか心配になります」
「今後のグローバル社会、またはグローバル第2世代とも呼ばれそうな時代が、どのようなものになるのか気になります。リモートワークやオンライン教育の本格的な普及など、新しい社会の常識が作られているため、働き方や仕事の幅も変わると思います」
現在就職活動をしている学生たちは、予測不可能な今後の社会に対し悲観的な感情を抱きつつも、変化に対応すべく、それぞれの対策に考えを巡らせているようだ。
ロックダウンでヨーロッパの若者の生活が一変
ここからはヨーロッパの学生の声を見ていきたい。ロックダウンによる不自由な生活が続いて1カ月以上経つ。普段は家族や友人と賑やかに過ごすことの多いヨーロッパの若者だが、今回の事態で彼ら、彼女らの生活と常識は一変した。
お酒やダンス、音楽に囲まれた生活を奪われた西洋の若者たち。外出がほとんど許されない、日本より緊迫した状態にいるヨーロッパのZ世代のリアルな声を聞いてみた。
「事態はネガティブでも、心と体だけはヘルシーで」フランス人大学生
フランス人の10代の大学生は、生まれて初めて直面する困難な現状に対し、悲しみを素直に吐き出した。しかしそこには、欧米人らしい主体的な考えがあった。
「いくらあがいたって、ネガティブな感情はなくならない。だけど協力とリスペクトが大事だと思って過ごしている。命の瀬戸際で戦っている人が大勢いる中で、僕たちにできることは家でネットフリックスを観て大人しくすることだけ、簡単だよね。僕の友達もみんな最低限のリスペクトの心を持って、この状況を乗り越えようとしている。事態はネガティブでも、心と体だけはヘルシーでいたい」
スペインの20代大学生も同様に、このような異例の状況でもポジティブな側面に目を向けようとしている。
「あまり現状についてネガティブに捉えすぎないようにしている。実は公害や大気汚染なども大幅に削減されたり、いろんなところで協力が生まれたり、ポジティブなことは実際各地で起きているんだ。ここまで深刻になったからには、二度と繰り返さないように真摯に復興と向き合って、乗り越えるしかない」
若者たちの前向きな視点が、ヨーロッパ全体を復興に促す救いの手かもしれない。