「いま」を切り取りブランド価値を発信。コロナ危機にナイキが訴えたこと

NIKE「Play for the world」


「いま」に沿ったコミュニケーションを選ぶこと


「いま」を切り取りながらコミュニケーションを図ることは、我々の日々の暮らしにおいても、無視できない重要な要素だ。特にある程度以上の年齢になったら、ここまで生きて来た経験に頼り過ぎるのは考えものだ。あのころの「いま」と現在の「いま」は、大幅に異なる。

コロナ危機による在宅ライフが続くいまであれば、それに即したコミュニケーションが必要になる。オンライン会議やオンライン懇親会も、積極的に取り入れるべきだろう。しかし気をつけるべきなのは、そこに“以前の感覚”を持ち込まないように努力するということだ。なかには、オンライン懇親会を強引に開催したあげく、画面に映る部下の部屋の散らかり様に説教をする上司もいると耳にしたが、これではまったくいまを切り取れていない。

コロナ危機以前の普通の日々であっても、「いま」は刻々と変わっている。部下や子どもたちといった若い人々と接するときは特に、彼らのいまを尊重する姿勢を忘れるべきではないように思う。

もちろん自分自身が生きて来た経験はかけがえのないものだが、それを彼ら彼女らのいまと上手く交差させてこそ、共感が発生し、有効なコミュニケーションは生まれる。そしてまた、自分の知らない彼らのいまに思いを馳せることは、自分自身にも多くの発見をもたらすことになるだろう。

まずは、このコロナ危機がもたらした“新しいいま”を身近な人たちと共有しようとすることから始めてみては、いかがだろうか?

連載:先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま
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文=佐藤達郎

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