テクノロジーの力も大いに利用する
幸いなことに、上に挙げた課題の多くは、テクノロジーの力を効果的に使うことで解決できる可能性があります。オンライン会議システム、テキストチャット、リアルタイムホワイトボードなど、オンラインでも様々なチャネルでコミュニケーションをとることができる環境が整いつつあります。特別なツールを開発したわけではなく、既存のツールの組み合わせで十分に対応することができたのです。
私たちGoodpatch Anywhereは、そのテクノロジーを使い、クライアントがリモートワークを初めて導入にするにあたっての様々なサポートをしてきました。テクノロジーはただ使うだけではその効果を最大限に発揮できません。私たちがクライアントにツールを導入する際は、ツールをどうやってチームや組織に浸透させるかを、アプリやWebサービスの初回体験を設計するように慎重にファシリテーションをします。
適切なレクチャーを行い、楽しみやすい雰囲気を作り、意義を効果の出やすい利用法を考え、使いやすい場所に配置します。誰もが無理なくツールを使えるようにするために何をすれば良いのかを本気で考えましょう。その過程できっと、今までの仕事を新たな目線で捉えて改善でき、時にはリモートワークならではの成果や効用を見つけることもできると思います。
組織を構成するメンバーの感情にアプローチする
しかしこのような新しい取り組みをする際、変化に晒されるメンバーには当然、大きな不安やストレスがかかります。組織を構成するメンバーの一人ひとりの不安が集った結果として、変化を拒絶し、組織の変革を阻んでしまいます。100人を変化させようとしたときに、100人分のブレーキが発動するのではなく、100人を推進役にするためにはどうしたら良いかを考える必要があります。
しかし、この状況は熱意ある個人のスキルやモチベーションで解決できるものではありません。組織として、変化や挑戦を歓迎する姿勢を示すことが必要です。例えばリモートワークを導入しようとした時に、勇気を持って環境構築に参加したメンバーが何かしらの失敗と出会ったとします。するとつい「ほらみろ、リモートワークなんて…」と言ってしまうことがあります。
これは「必ず起こる」現象なので、組織として意図的に抑制しなければいけない行動です。リーダーはこうした発言を認めないと宣言しましょう。変化への挑戦が歓迎され、失敗ではなく「このやり方ではうまくいかないという経験を得た」ということであり歓迎されるものだと宣言しましょう。こうして、一人ひとりが少しづつ安心して協力できるようにすることで、新しい変化は坂道を転がるように組織を巻き込んでいくことでしょう。
組織に何か変革をもたらそうという時にはこちらの情報が参考になると思います。人々の意見やムーブメントの伝搬の仕方を理解することで成功確率は大きく変わってくることでしょう。
(参考リンク)
・群衆の英知もしくは狂気
・TED デレク・シヴァーズ 社会運動はどうやって起こすか