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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信


全国に目を転じれば、米国パソナでは、在宅勤務を支援するために、自宅でできる短時間運動プログラムをネットで無料開放している。コストコは、開店前の1時間を、新型コロナでの致死率が比較的高い高齢者の専用タイムに設定している。

また、人々がクルマを運転しなくなったために交通事故が減ったことを反映し、自動車運転損害賠償保険のアメリカン・ファミリー・インシュランス社は、顧客から徴求した保険料の一律15%を換金するという対応を始めた。

外国人に入国審査で与えた滞在期間を厳密に管理している米国移民局も、今回に限っては、ビザのない入国者(ビザ免除プログラム)についても、帰国できない場合は30日間の猶予を与えることを決定した。

毎年ラスベガスに世界のビールメーカーが集って開催されていたビヤフェスティバルは、中止となる代わりに、ライブ配信で乾杯をしながら、皆で自宅飲みしようという企画に転じた。面白いことに、「入場料」を事前に払うと、前日に10本のビールが届くという。

当日は、ライブカメラを通じて、ビールソムリエやビール大使とうんちくを語り合いながら試飲を楽しむというもので、生バンド演奏や、インタラクティブなゲームも用意されており、楽しい時間を過ごすことができる。

9.11後を思い起こさせる非常時の連帯感


筆者の近所でも、高齢者の夫婦が小売店舗で人と接触しないようにと、隣に住む若者が買い物を引き受け、玄関先に置いて渡してあげるというシーンを目撃した。また、閉鎖中のゴルフ場が、コースを散歩する人たちのために「見て見ぬふり」をして、事実上の一般開放をしていた。

筆者も、ドライブスルーで外食を持ち帰るとき、「Thank you for staying open」と必ず声をかける習慣がついたし、ファストフードやスーパーマーケットの店員も、このところやたらと愛想がいい。この非常時の連帯感は、あのアメリカ同時多発テロに打ちひしがれた2001年を思い起こさせる。

新型コロナウイルスは、人々に厳しい試練を与えているが、皆がちょっぴり人に優しくなったという感想を持つアメリカ人も多い。禍を転じて福を為すというのは、早計かもしれないが、人々の心にプラスの変化が訪れていることも事実だ。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太

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