ビジネス

2020.05.14 18:00

自腹で始めたメルマガ IT業界やスタートアップで働くヨーロッパ女性を虜にするまで


その一方で、メンバー数があっという間に800人になって1人で管理するのが難しくなりました。「このコミュニティをどう安定的に成長させればいいのか」という課題にいよいよ直面することになりました。

アメリカでいくつかのイベントを開催したとき、みんなに聞かれました。「セイラは何でニュースレターを収益化しないの?」

そのことをきっかけに、報道産業の大きな収入源になっている広告業界がこの間どう変わってきているか、有料購読のメディアをどのように収益化できるか、読者層をどのように育てればいいのかなど、たくさんのことを勉強しました。

Femstreetは、いわゆる「隙間コミュニティ一」を対象にしているのが一番大きな課題です。お話ししたように、女性はこの業界の超マイナー集団です。それは今も変わりません。絶対に10万もの読者は集められません。だからスポンサーと組んでこのメルマガそのものを収益化させるのは難しい。

そんなとき、メルマガを収益化するためのプラットフォーム、Substackを知りました。それで、2019年11月から有料のサービスを始めました。メルマガはまだ無料ですけど、特別なコンテンツ、コミュニティへのアクセス、仕事の紹介や専門家のネットワークはお金を払っている読者だけがアクセスできるようにしました。

──読者は現在何人いて、彼らの共通点はなんですか。

3月時点で約7000人います。多くの読者は起業家、またはIT業界で働いている人です。自分のキャリア成長を加速させたい人や、同じような考えを持っている人々や同じ業界のリーダーたちと繋がりたいと思っている人です。

読者の中には、世界最大のベンチャーキャピタルファンドの社員、女性コミュニティとして有名なザ・ウイングのようなコワーキングスペースの社員、そしてプロダクト・ハント、スラッシュ、アンハイザー・ブッシュ・インベブやウーバーなど一流企業・組織の社員等、様々な優秀な人たちがいます。

みんなはお互いを強く支え合って、お互いの成功を認め合うことのできる人たち、自分が学んだことを他の人たちと共有したいと思っている人たちです。

もう一つ大事なのは、私は最初から、Femstreetを女性だけのコミュニティにはしたくないと思っていました。Femstreetは男女含め、全ての人たちの教育のために存在しています。

例えば、差別がないように人を採用するにはどうしたらいいか、なかなか光の当たらない女性たちの活躍を男性たちにどう知ってもらうか、そんなことを目指しています。


メルマガ会員たちとの集合写真
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文=エリー・ウォーノック

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