ビジネス

2020.05.14

自腹で始めたメルマガ IT業界やスタートアップで働くヨーロッパ女性を虜にするまで

Femstreetを立ち上げた、セイラ・ヌーケルさん


──読者たちはお互いを支え合いたいという気持ちが強いと言いました。新型コロナウイルス蔓延の中で、Femstreetのコミュニティはどのようにお互いを支え合っていますか。

タイムリーなテーマについて、業界の専門家と質疑応答のセッションをやっています。例えば、タスク・ラビットの創業者リア・ソリバンと質疑応答のセッションをやりました。彼女は今アメリカでベンチャー・キャピタリストをやっています。

彼女は(リーマンショック直後の)2008年に事業を開始して、2017年にIKEAに売りました。不景気の中で事業を成長させる経験をたくさん積んできた起業家なので今にぴったりだなと思いました。

この状況の中でスラックのコミュニティもすごく役に立っています。そのほかには、求人や第三者の求人情報のシェア、そして人材開発にも力を入れています。

──Femstreetを立ち上げた2017年と比べると、ベンチャーキャピタル業界や起業家の世界でダイバシティの状況に変化はあったと思いますか。

もちろんです。2017年に立ち上げた時、Femstreetの主な目的は「業界を教育する」「女性起業家と女性投資家の認知度を向上させること」でした。当初私は、ダイバシティについてたくさんのことを語りました。

しかし、その後、私はわざとメルマガの内容をダイバシティのことからもっと身近な実現しやすい、具体的なアドバイスへとシフトさせました。なぜかというと、アメリカやイギリスのような国は一歩前に進んだからです。ダイバシティの良さについてはもう同じように教育する必要がなくなったのです。なぜなら、女性がどんどん起業しているし、立派な投資家にもなっていますから。

起業した女性たち、成功した女性たちは、みんな積極的に自分の成功を語っています。そういうロールモデル、成功の話は次の世代に大きな勇気とインスピレーションを与えていると思います。

──Femstreetの次なる目標はなんですか。

優秀な人材のために、配信チャンネルを強化していろいろな専門家のネットワークを設ける予定です。それは何を意味するかというと、読者層を多様化する、ということです。起業家と投資家だけではなくて、プロダクトの専門家、デザインの専門家にも読者になってもらえればと思っています。

そういう専門的なネットワークはFemstreet読者のコミュニティにも役に立つし、投資家である私自身にとっても役に立ちます。

収益源も多様化したいと思っています。スタッフを強化してすでに取り組んでいます。さらに、他のコミュニティとパートナーシップを組むことも考えています。例えば、今オフィスにいけなくてオンラインのコミュニティと繋がりたいと思っているコーワーキングスペースなど。


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文=エリー・ウォーノック

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