ビジネス

2020.05.14

自腹で始めたメルマガ IT業界やスタートアップで働くヨーロッパ女性を虜にするまで

Femstreetを立ち上げた、セイラ・ヌーケルさん


この4月、私は再びシードステージ投資をするためにNorthzoneというファンドに転職。B2Bのビジネスは本当に好きだったのですが、転職してよかったと思っています。

なぜかというと、Dawnの主な投資対象は、すでに何百万ドルものお金を調達できているスタートアップですが、私がFemstreetでのコミュニティやリソース作りを通じて出会う投資案件はもっと若いシードステージのスタートアップです。その投資規模は100万ドル未満なのです。

シードステージに投資する投資家たちは、投資先のスタートアップの一員と言ってもいいくらい彼ら彼女らに近い存在です。投資先をテイクオフさせるためには、投資家は自分のネットワーク、自分のリソースを持っていることがとても大事です。

普通そんなすごい「ツールキット」を持っているのは職歴の長いベンチャーキャピタルファンドの幹部たちだけですが、Femstreetを創刊したことで私はわりと早めにそのネットワークを手に入れることができました。そのことを私はとても誇りに思っていますし、そのネットワークを使ってシードステージのスタートアップを彼らと一緒になって支援する仕事はとても刺激的です。

──Femstreetの発展について教えてください。どのような段階を踏んで今のFemstreetができたのでしょうか。

最初の1年間はコアとなる読者層を育てたり、いろんなフォーマットを試したりして、顧客の開拓に専念しました。これにはすごい時間がかかりました。毎週、金曜日の夜や土曜日に10〜15時間をかけてレターを作っていました。最初はMailchimpというプラットフォームを使って無料で配信していました。読者数が増えてMailchimpのコストも上がって1カ月に自腹でを£500(約67000円)払っていました。利益が全く出ていませんでしたが、楽しかったです。

ようやくプロダクトマーケットフィット(自分のプロダクトが、マーケットに適合している状態)ができて、2019年1月にオフラインのイベントをやり始めました。


今も活発に行っているイベントの様子

読者を調査した結果、読者は他の読者とつながりたいと思っているのがわかったので、その年の3月に読者のためのオンラインチャットツールである、スラックを始めました。起業家たちも投資家たちも、ほとんどの人が職場ですでにスラックを使っていたので、これはとてもうまくいっています。
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文=エリー・ウォーノック

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