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AI通信「こんなとこにも人工知能」

Alexander Tolstykh / Shutterstock.com

中国では人工知能向けサーバー(以下、AIサーバー)の需要が急速に高まっているという。AIサーバーとは一般的に、膨大なデータを処理するための容量や低消費電力など、人工知能の開発・運用のための要件を揃えた高性能なサーバーを指す。

中国メディアがIDCの調査を受けて報じたところによると、中国のAIサーバー市場は2019年に約23億3000万ドルとなり、前年比で57.9%のプラス成長になったという。なかでも特筆すべきは、Inspur(浪潮集団)というサーバーベンダーが50.8%のシェアを獲得し、同市場で存在感を誇示している点だ。なお、同社は3年連続で同市場でシェアトップを守っている。

シェア2位となったのはファーウェイで、シェアは18.4%だ。3位以下の企業はいずれも5%以下となり、実質的に2社による寡占状態(約7割)にあるということが明らかになった。なお、グローバルAIサーバー市場規模は約99億ドルとなっている。そのうち、中国市場が占める割合は2018年19.2%から、2019年に23.5%まで上昇している。

AIサーバーは主に、ECのターゲットマーケティング、画像認識、コンテンツ検索、顔認証、自然言語処理(音声&文字)などのアプリケーション用に使用されているという。ユーザーの層も拡大中で、ITサービス、エネルギー、通信、交通、建築などの分野では市場規模が前年比で100%のプラス成長をみせているという。

中国トップであるInspurは、サーバー市場全体としては世界3位の企業でもある。1位はデル、2位はヒューレット・パッカード・エンタープライズだ。トップ2社との市場占有率における差は徐々に縮まっており、シェアトップ実現に向けて攻勢を強めている。Inspurは今年3月に日本法人を設立。2022年までに日本市場で100億円の売上高を目指すと公言している。

Inspurはまた、中国国内ではビッグデータ企業ランキング5位(中国大数据産業生態連盟が2018年に発表)、世界AI特許申請件数でも5位(国家工業情報安全発展研究センターが2019年末に発表)にランキングしている。グループ全体としては、サーバーのみならず、AIコンピューティング製品にも強く、バイドゥ、アリババ、テンセントをはじめ、今日頭条、Face++、iFlytekなど国内の有力ベンチャーとも広く協業を行っている。

サーバーやクラウド、またAIの需要が高まるなかで、中国のトップサーバーベンダーは世界にどう進出の勢いを強めていくのか。日本進出の行方とともに気になるところである。

連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河 鐘基

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