ビジネス

2020.05.11 15:00

生活の困りごとをまるっと解決、LINEを通じたオンラインパートナーサービスがウケる理由


“まるっといい感じに”生活の困りごとを請け負う価値


mendの特筆すべき点は、独特のゆるさだ。「このあたりでいい感じにセットして」と雑に依頼しても、カジュアルに対応していく。これは、すべての対応を人力で行っているからこその雰囲気だ。

「何かを依頼するときによく使われるのがチャットボットですが、その課題は、機械と人間がまだうまく話し合えないこと。要するに、いい感じに対応できないんです。また、カード会社にはコンシェルジュデスクもありますが、依頼するには電話かメールしか使えないところがほとんど。でも、よしなにやってくれる。mendはその間にある『チャットで気軽に依頼できる』『よしなに対応してくれる』を両立させています。

やりとりも、予約フォーマットをひとまとめにするなど、チャットでも見やすいスタイルを意識しています。文面など細かなルールは特に設けていません」



機械ではなく「人間」が対応するからこそ、細かな点に気づき、対応できる。まさに「スマホの中に秘書がいる」イメージだが、実際に秘書と競合することはないのか?

「mendについてよく質問されるのが『秘書と競合しないのか?』です。むしろ逆で、秘書のなかにはmendを使ってくださっている方がけっこういらっしゃいます。自分が行うべきことに集中するために、自分がしなくてもいいことをmendに任せる、というイメージです。秘書や不動産などのプロフェッショナルによるサポートには敵いません。

そこで、一般公開後のmendでは、ハブとしての役割をもっと果たせると考えました。『引越し先を探してほしい』『ビジネス英会話を教えてほしい』などハイクオリティーな要求をプロにつなぎ、手配などはmendがすべて請け負うイメージです。質の高いプロバイダと手を取り、お客さまへの提供価値を高めていきます」

mendでは、これまで経営者、フリーランスなどの個人向けだったが、今後は法人プランにも注力。いち企業はもちろん、サービスプロバイダーを視野に入れた法人プランを一般公開に合わせてスタートさせた。

コロナ環境下で求められる、健康・家庭・業務環境の整備


2年の試験運用を経て、本格始動したばかりのmend。2020年3月は、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大が強まる真っ只中だった。想定していたニーズとは違ったところはあったのだろうか?

「もともと、mendユーザーからのニーズは『会食のセッティング』『出張先でのランチ』など、食に関する調整ごとが中心でした。新型コロナウイルスによる外出自粛が続くなかで増えたのは、どちらかというとデリバリーやお取り寄せのリサーチや手配。ニーズの質はあまり変わっていません。

なかでも増えたのは、競争率の高いお取り寄せ。特に売り切れが早いものは料金を+αすることで対応可能としました」
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文=福岡夏樹

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